「森の保育園」に広がり、盛保園児が年4回体験へ/住田(別写真あり)

▲ 悪天候のため室内での活動となったものの、子どもたちは「森のつみ木広場」に熱中=大股地区公民館

 大船渡市盛町の盛保育園(久保田ユウ子園長、園児128人)年長児が本年度、住田町内の保育園児が種山などを舞台に毎年体験している「森の保育園」事業を行うことになった。町外の保育園児が季節ごとに訪れて体験するプログラムは、初の試み。初回となった14日の活動は悪天候のため室内での体験となったが、子どもたちは木のぬくもりにふれながら歓声を響かせた。

 

多彩な活動が好評


 森の保育園事業は、町教委による森林環境学習の一環として、世田米、有住両保育園児を対象に実施。季節に合わせて種山に足を運び、遊びながら森林の魅力や働きに理解を深めている。
 多彩な体験ができると聞き、盛保育園では近年、3月に卒園間近の年長児が「お別れ遠足」として訪れ、雪あそびを楽しんでいた。本年度は、季節の移ろいに合わせた活動で自然への親しみを深めようと、年4回体験する計画を組んだ。
 初回の「春編」には、年長児28人が参加。当初は遊林ランド種山の駐車場から新緑の中を散策する日程だったが、落雷の恐れがあったため、大股地区公民館に移動した。
 代替プログラムとして行われたのは「森のつみ木広場」。ヒノキ製のつみ木約1万ピースが用意され、園児それぞれが自由に積み上げ、創作の楽しさを味わった。
 自分の身長よりも高く積み上げて塔を築いたり、道路や壁、乗り物をつくるなどして、あっという間に「木の王国」が完成。年長児の古澤ひかりちゃん(5)は「外で遊べないのは残念だけど、つみ木を高く積み上げるのは楽しい」と、笑顔をみせていた。
 盛保育園では活動を通じ、家庭でも自然を生かした遊びに親しむ時間が増えるといった効果に期待を込める。久保田園長(57)は「遊具や施設がなくても、十分楽しめる。自然相手に予定通りいかないことや、自分の荷物を入れたリュックサックを背負って歩くといった経験もさせたい」と語り、子どもたちの成長を見つめる。
 今後は7月、10月、来年3月に活動を予定。例年、町内の保育園児は夏には物見山を登り、秋には紅葉や木の実集めを楽しみ、冬は遊歩道を生かしたソリすべりを満喫する。
 盛保育園の活動で毎回指導役を担うことになる「すみた森の案内人の会」の佐々木慶逸さん(62)は、「まずは思い切り遊んでもらい、良い思い出をつくってもらえれば」と話している。