三陸・大船渡夏まつり、8月3、4日に開催へ

▲ 今年の三陸・大船渡夏まつりは8月3、4日に魚市場で開催へ(写真は昨年)

 大船渡市の三陸・大船渡夏まつり実行委員会(委員長・齊藤俊明市観光物産協会長)は14日、大船渡商工会議所で平成30年度総会を開いた。今年のまつり日程などを協議し、8月3(金)、4(土)の両日、大船渡町の大船渡市魚市場周辺で開催することを決めた。協議では同町の大船渡駅周辺地区での開催を求める声もあったが、周辺の道路整備状況や来場者の安全確保などを考慮する形となった。今年も例年通り、海上七夕の大船渡湾内巡航や余興、道中踊り、花火大会などを計画している。

 

今年も会場は魚市場に、実行委総会で決める

 

 三陸・大船渡夏まつりは、気仙の夏を盛り上げる「海の祭典」として、県内外から多くの観光客を呼びこむ一大イベント。東日本大震災が発生した23年は中止となったが、翌24年には再開し、以降は国内外からの支援に対する感謝と、復旧・復興の歩みを広く発信する機会になっている。
 総会には、委員32人が出席。齊藤委員長は「今年こそは中心市街地での開催をかなえたいと計画したが、安全確保のための警備などを考えると厳しいと判断した。理解をお願いしたい」とあいさつした。
 引き続き、29年度の事業報告と収支決算、本年度の事業計画案、収支予算案を協議。いずれも原案通り承認、決定した。
 現時点での計画によると、3日は夕方から海上七夕の湾内巡航を実施。細浦新港、蛸ノ浦漁港、魚市場南側岸壁に寄港し、船上の特設ステージでは歌謡ショーを予定する。
 メーンの4日は、魚市場で余興や開催式を行い、夕方には恒例の市民道中踊りを展開。その後、8000発の打ち上げを見込む目玉の花火大会を行う。キャッセン大船渡の商業施設駐車場では、大船渡青年会議所による「大船渡復興グルメフェスティバル」も計画する。
 このほか、花火大会前に「灯ろう流し」、大船渡を代表する魚・サンマを広くPRする目的の「模擬サンマ漁」の披露といった提案もあり、実施するか検討を進めていく。
 まつりの主会場は、震災前が大船渡駅前の目抜き通り、再開後は土地区画整理事業などのかさ上げ工事が本格化していない同駅付近の地域、野々田岸壁港湾道路を利用。28、29年は、かさ上げ工事との兼ね合いや避難路確保などの観点から、大船渡市魚市場で開いてきた。
 協議では、委員から「せっかくできてきた大船渡の市街地ではできないのか。商店街の人たちはやってほしいと思っているのでは」と、大船渡駅周辺地区での開催を求める声が挙がった。
 これに対し、実行委事務局側は改めて、会場選定の理由を説明。県道丸森権現堂線をはじめ、同線と国道45号を結ぶ都市計画道路の茶屋前線や野々田明神前線が工事中であり、同地区で実施した場合に車両が集中してシャトルバスの運行、店舗等の営業、万が一の避難誘導などに影響をきたす可能性があることなどを示した。
 駅周辺の土地区画整理事業の基盤整備や主要道路の工事は、本年度で終了する予定。事務局側では、「来年度については、工事が終わった後に(市街地での開催を)検討したい。混雑して身動きがとれないときでも避難ができるスペースを確保し、商店街区にも人の流れが来る形を考えたい」と述べ、理解を求めた。
 協議では、任期満了に伴う役員改選も行い、齊藤委員長ら全員を再選。まつりのスケジュールや運営の詳細は今後検討を進め、決めていくとしている。