地域おこし協力隊、2年目の農業本格化/大船渡(別写真あり)
平成30年5月18日付 7面

大船渡市地域おこし協力隊員として、ICT(情報通信技術)分野で活動する蟻川文太郎さん(26)=神奈川県横浜市出身、下地悠太さん(31)=沖縄県那覇市出身、小林耕平さん(26)=長野県佐久市出身=の3人は昨年度、日頃市町内に農園「ギークファーム」を開設し、農業に取り組んでいる。2年目となる本年度は、ICTも活用しながら町内2カ所の農園で作物を育て、より活動を充実させたい考えだ。19日(土)には野菜の苗植え体験交流会を予定しており、市民らの参加を呼びかけている。
ICTも活用し充実図る、あすは体験交流会開催
同市は、地域活性化や各種課題への対応、情報発信などを目的に、平成28年度から地域おこし協力隊制度を導入。現在はICT分野と水産分野の計4人が市内に移住し、活動している。
ICT分野のうち、蟻川さんと下地さんは同年11月に、小林さんは昨年7月に着任。3人は日頃市町字関谷のシェアハウス・ギークハウス岩手三陸大船渡で共同生活を送りながら、ICT利活用の推進や鳥獣被害対策、農業に取り組んでいる。
農業は、蟻川さんと小林さんが中心となって進めており、昨年は同町甲子の遊休地を借り受け、ギークファーム(面積約1417平方㍍)を開設。地域住民から栽培、管理などの助言を受けながら、約30種類の作物を手がけた。農園は市民や農業体験者との交流の場にも位置づけており、下地さんが畑の周辺にウッドデッキや花壇などを整備している。
2年目の本年度は、ギークハウス近くの遊休地も借り、新たな農園(同約1160平方㍍)も設けた。この二つの農園で作付する。
農作業の本格的なシーズンを迎え、3人は15、16日、甲子の農園で草刈りや畝立て、マルチ張り、花壇への花植えなどに汗を流した。畝立てとマルチ張りは地域住民から農機を借りて取り組んだ。
農園では今年、トマトやナス、ピーマンなどの夏野菜を中心に栽培。収穫までの様子は協力隊のブログやフェイスブックで発信していくほか、昨年も開催した苗植えや収穫などといった市民らとの農業体験も計画。本年度第1弾の農業体験イベントは、19日に行う。
同日は午前7時にギークハウス(日頃市駅前)に集合し、農園に移動。午前中をかけて野菜の苗を植え、昼にはバーベキューを楽しむ。雨天の場合は20日(日)に順延する。定員は20人。
蟻川さんは「昨年は作業に追われてしまったので、今年は1年目の経験も踏まえながら農業に取り組み、できるだけイベントを充実させたい」と力を込める。
下地さんは「ウッドデッキの整備は協力者の方々から指導を受けながら、順調に進んでいる。完成したら農作業の休憩などに利用したい」と意欲。
小林さんは「今年は、作物の管理や成長促進にICTを役立てたい。ギークハウスに来てくれる人が増えたので、農園もPRして収穫体験などができれば」と期待を寄せる。
19日の農業体験に参加を希望する場合は、協力隊のフェイスブック(https://ja-jp.facebook.com/OfunatoOkoshi/)にメッセージを送るか、市企画調整課(℡27・3111)へ問い合わせを。