横田で育む絆 今年も、市民ら招いて交流会/陸前高田(別写真あり)

▲ 今年も大勢の人が集まり、交流を深め合ったイベント=横田町

 東京都内の女性有志でつくるボランティア団体「藤結びの会」(尾﨑文代表)は18日、陸前高田市横田町本宿の農業・平坂隆義さん(75)宅で、地域住民との交流イベント「藤棚カフェ」を開いた。平坂さん宅の庭先に咲くフジが結ぶ住民との縁を深めようと、同会の結成当初から続けて今年で4年目のイベント。震災から7年以上がたった現在も絆を育み、笑顔の「花」を咲かせている。

 

東京の支援団体が企画

 

 同会は、震災直後から陸前高田市などで支援を続けてきた東京都のグループ有志が「継続して被災地を支援しよう」と平成27年5月に設立。生活協同組合パルシステム東京の震災復興支援基金「パル未来花基金」の助成を活用し、現在も2、3カ月に一度のペースで同市を訪れ、パッチワーク教室を手がけたり、子育て支援イベントを協力したりとメンバーの特技を生かした活動を展開している。
 同会などさまざまなボランティアの宿泊先として自宅を提供している平坂さん宅での交流イベントは、フジが見ごろを迎える毎年この時期に行っている恒例行事。
 18日は、同会のメンバー6人や町内外の住民、福祉作業所の利用者ら約50人が訪れた。同会が作成したチラシを見て知り、初めて参加したという市民の姿も多く見られた。
 朝から雨が降るあいにくの天候となり、広さ1000平方㍍ほどの庭中央を彩るフジ棚の下での開催とはならなかったものの、平坂さんの妻・サツ子さん(74)手製のお煮しめやおこわなどが並ぶテーブルを囲んで和やかに会食。茶道表千家の講師資格を持つ尾﨑代表がたてた薄茶も振る舞われた。
 その後は余興が繰り広げられ、地元の民謡愛好者が次々と自慢の歌声を響かせたり、歌に合わせて参加者が飛び込みで踊りを披露するなど大勢の笑顔が広がった。
 同会メンバーの内藤真澄さん=東京都国分寺市=は「毎回平坂さんのお宅に泊めてもらっているおかげで活動を続けられる」と感謝し、「自分たちも楽しみにしている年に一度のイベント。今年は『初めまして』の方も多く、このつながりを大事にしていきたい」とほほ笑んでいた。
 平坂さんは「みんな楽しんでいてうれしい。被災地を忘れないボランティアの思いには頭が下がる。これからもその人たちを受け入れるなど自分なりに支えていきたい」と話していた。