本年度最初の客船入港、ぱしふぃっくびいなす/大船渡(動画、別写真あり)
平成30年5月23日付 1面

今年で就航20周年を迎えた日本クルーズ客船㈱の客船「ぱしふぃっくびいなす」(2万6594㌧、松井克哉船長)は22日、大船渡市の大船渡港野々田ふ頭に入港した。同港への客船入港は本年度第1号となり、同船の寄港は丸1年ぶり、通算14回目。ふ頭では大勢の市民らが入港を歓迎し、乗船客や乗組員らを温かくもてなすとともに、同船の節目も祝福した。
14回目の来訪〝大歓迎〟
就航20周年も祝福
ぱしふぃっくびいなすは「おおふなと特別観光大使」でもあり、4月12日に就航20周年の節目を迎えたばかり。今回は自社クルーズ「風薫る東北・三陸クルーズ」(横浜発着3泊4日)の一環で、370人の乗客とともに大船渡を訪れた。
この日は朝から青空が広がり、ふ頭では市民や市の関係者ら総勢約300人が入港を歓迎。乗船客らに笑顔で手を振るなどして迎えた。
オープニングアトラクションでは、綾里大権現保存会が迫力あふれる綾里大権現の舞を披露。大船渡商工会議所女性会は勇壮な太鼓演奏で、歓迎ムードを盛り上げた。
続くセレモニーでは、戸田公明市長が東日本大震災後の支援に改めて感謝を伝え、「大船渡が復興する姿を感じてほしい。市民の皆さまとの交流を通じ、思い出深い一日としてもらいたい」とあいさつ。花束や記念品、返礼品の贈呈が行われた。
松井船長は「大船渡に復興の光が満ち満ちと感じられ、感銘を受けている。今後も毎年のように寄港し、市民の皆さまと全国の皆さまとを結ぶ、交流の架け橋になりたい」と述べた。
ふ頭では観光案内所をはじめ、菓子や水産加工品、酒類といった大船渡の物産販売コーナーを開設。乗客や乗組員向けのワークショップ、アワビの炭火焼き試食なども実施した。
神奈川県横浜市の小島洋司さん(83)、弘子さん(76)夫妻は、ぱしふぃっくびいなすに初乗船。大船渡も初めて訪問した。
弘子さんは「大船渡にある知人の実家が被災したと聞いており、気にかけていたがやっと来ることができた。三陸鉄道に乗るなどして市内の様子を見て、お土産をたくさん買って復興に協力できれば」と話していた。
この日は就航20周年を記念し、船内見学会「大船渡こども探検隊」も開催。招待された市内の保育園、こども園の園児らが参加し、好評を博した。
夕方には大船渡保育園、大船渡東高校太鼓部、綾里大権現が出演しての寄港御礼アトラクションも展開。出港時には色とりどりの紙テープが舞う中、市民らが旅の無事を祈りながら見送った。
ぱしふぃっくびいなすは本年度、10月にも大船渡港を訪れる予定。このほか、9月には商船三井客船㈱の「にっぽん丸」(2万2472㌧)と、郵船クルーズ㈱の「飛鳥Ⅱ」(5万142㌧)も入港を計画している。