待望の全館供用開始、大船渡市防災観光交流センター(動画、別写真あり)
平成30年6月2日付 7面
大船渡市大船渡町のJR大船渡駅隣にある同市防災観光交流センターは1日、待望の全館供用を開始した。センターには世代を超えた市民らが足を運び、中心市街地に生まれた新たな交流、いこいの拠点で思い思いの時間を満喫。この日は多くの募金をもとに鹿児島から用意されたストリートピアノの贈呈式も行われ、センターには人々の絆から生まれた温かいメロディーが響きわたった。
募金をもとに鹿児島から
ストリートピアノの寄贈も
同センターは、観光情報の発信、市民と来訪者の交流、津波伝承などを目的に市が整備。津波発生時、高台へ逃げ遅れた場合の緊急避難場所にもなる。
4月29日に1階の観光交流施設と3階の展望デッキがオープン。2階部分は、一部スペースを除く部屋を希望する市民らに貸し出すこととしており、これまで指定管理者の市観光物産協会と、協会から委託を受けたNPO法人おはなしころりんが準備を進めてきた。
この日は、午前中から親子連れや団体客らが来館。館内を見学したり、配置された遊具で遊ぶなどする姿がみられた。
1階の大船渡駅側ピロティでは、鹿児島県の「鹿児島まち自慢快発考舎『ストリートピアノJAPAN』」(大坪元気会長)による〝ストリートピアノ〟の寄贈式が開かれた。
ストリートピアノJAPANは平成22年から、自宅に眠るアップライトピアノをもらい受けてデザインペイントを施し、商店街や集客施設へ常設して街行く人に自由に弾いてもらう活動を展開。
24年からは被災地の復興支援プロジェクトとして取り組み、毎年3月11日には全国各地でセレモニー「ストリートピアノでつなぐ祈りのハーモニー」を開き、被災地へ黙とうと歌を届けてきた。この中では参加者からの募金をもとに、被災地へピアノを贈っている。
大船渡市への寄贈は、25年の宮城県南三陸町、28年の同県名取市に続く3カ所目。鹿児島県鹿屋市から派遣された大船渡市の応援職員が縁を結び、実現した。
贈呈式には、鹿児島からストリートピアノJAPAN事務局の上村ひさみさん(48)、鹿屋市在住でピアノの持ち主である大西文雄さん(62)、南三陸町のさんさん商店街前組合長の及川善祐さん(64)、戸田公明市長ら約30人が出席。
上村さんは活動内容を紹介しながら、「プロジェクトメンバーのつながりの中でご縁が生まれ、この日を迎えることができた。末長く、よろしくお願いしたい」とあいさつ。大西さんから目録を受け取った市長は、「ストリートピアノの取り組みが大船渡で実現することに、心より感謝したい」と謝辞を述べた。
及川さんもあいさつで、今回を縁に大船渡と南三陸との交流が深まることを期待。最後に、おはなしころりんスタッフの千葉明美さん(59)が伴奏を務め、南三陸混声合唱団・コール潮騒のメンバーら出席者全員で『ふるさと』と『花は咲く』を歌い、結んだ絆を確かめ合った。
ピアノは7月に大船渡高校美術部がデザインペイントを施し、8月上旬にお披露目式を計画。ピロティ内に設置し、自由に弾いてもらうことにしている。
大西さんは「以前からこちらへピアノを贈りたいと思っており、希望がかなって感激している。多くの人がかかわるピアノになってほしい」と話していた。






