市民間の交流発展願い、クレセントC代表団が来市へ/陸前高田
平成30年6月6日付 1面

18日に姉妹都市提携合意書調印
防災や産業の取り組みも視察
今年4月に陸前高田市と姉妹都市提携を結んだ、米国カリフォルニア州デルノーテ郡のクレセントシティ市との提携合意書(和文)調印式と記念祝賀会は18日(月)、高田町のキャピタルホテル1000で開かれる。これに合わせ、17日(日)〜22日(金)にクレセントシティ市代表団が陸前高田に滞在し、防災や産業の取り組みなども視察する。現在、4月に渡米した市民訪問団「友好の翼」(団長・長谷川節子国際交流協会長)を中心に歓迎準備が進められているが、同団は今回の代表団来高を契機とし、「両市の絆について市民の理解が広まり、親交の輪が広まっていけば」と、中心市街地での企画写真展なども計画。祝賀会への一般参加を推奨するとともに、写真展へも足を運んでほしいと呼びかける。
11日から写真展も
東日本大震災の津波で流失した県立高田高校の実習船「かもめ」がクレセントシティ市の浜辺に漂着し、その返還に地元の高校生らが尽力したことを受けて、同市のデルノーテ高校と高田高校は平成27年から交流を開始。29年に姉妹校となった。
この際、クレセントシティ側から「市の間でも強固な関係構築を」と強い申し出があり、今年4月には戸羽太市長をはじめとした市民訪問団が現地入り。「姉妹都市提携を締結する」という宣言書にサインした。
今回のクレセントシティ市代表団の訪問は、この宣言について改めて陸前高田で確認し、双方の市民の強い賛同を得たいという狙いで実施。ブレイク・インスコア市長と行政関係者、郡・市議会議員、教育委員会、高校生、新聞記者ら16人が来市する。
陸前高田市はこれを受け、調印式に伴うまちぐるみのレセプションを企画。「行政主導の堅苦しい式典ではなく、まちの人たちの温かさや歓迎の気持ちが感じられるものにしたい」とし、両市との交流発展を願う人や、知恵と技術の共有による新しいビジネス展開などに関心を持つ市民らの祝賀会出席を募る。セレモニーの詳細は市国際交流協会や友好の翼と協議している段階だ。
18日の調印式と記念祝賀会への参加は、大人1人3000円(高校生以下無料)で、13日(水)まで市企画政策課(℡54・2111内線172、メール:kikaku@city.rikuzentakata.iwate.jp)で申し込みを受け付ける。
当日の受け付け開始は午後5時30分。第1部の合意書調印式は同6時に開会し、両市の関係を紹介するVTRの放映、代表団の紹介、調印などを行う。
同6時30分ごろからは第2部の歓迎祝賀会となり、立食形式での歓談、歓迎の太鼓演奏、「友好の翼」による報告会、高田高生・デルノーテ高生によるスピーチ、クレセントシティ市の土産品が当たる抽選会を盛り込む。最後は全員で「高田音頭」を踊り、文化交流も図る。
市によると、クレセントシティ市代表団は、「双方の関係を単なる友情に終わらせず、子どもたちの交流を促進し、産業面でも互いにメリットがある関係性を築きたい」と切望。両市は自然環境における共通点が多いことから、陸前高田市の農業や水産業に高い関心を寄せており、商業者同士でも何かできないかという思いも持っているという。
このため陸前高田市は、生産者や事業者、また児童生徒の積極的な参加を呼びかけ。「楽しい雰囲気の中で、自分たちの日ごろの仕事や暮らしについて語らってもらえれば」とする。
また、代表団来訪を前にし、11日(月)からは高田町のアバッセたかたパブリックスペースで姉妹都市提携締結記念写真展を開催。「陸前高田の人々に、クレセントシティのことを身近に感じてもらいたい」と、両市の絆がはぐくまれていった経緯を振り返るとともに、両市のよく似た景観を比較したり、現地の人々の表情を写真で紹介することにしている。
長谷川団長(66)は「二つのまちの関係を大切にしたいという皆さんが、準備のために一生懸命動いてくれている。この交流を一部の人同士のものにとどめず、まちぐるみで盛り上げていきましょう」と話しており、滞在前〜滞在中に市内での〝歓迎ムード〟を高めていきたい考えだ。