オリジナルキャラ制作、市社協の「にこにん」/大船渡
平成30年6月7日付 7面

権現様をモチーフに
つどいの広場でお披露目
大船渡市社会福祉協議会(田村福子会長)が昨年11月から制作に取り組んできたイメージキャラクター「にこにん」がこのほど完成し、6日に立根町の市Y・Sセンターでお披露目された。権現様がモチーフで、同協議会が目指す「親しみやすく頼もしい存在に」という思いが込められている。今後は、同協議会の広報部長として各種イベントなどに出演していくという。

「親しまれ、頼られる存在に」という思いが込められたデザインに
平成27年から広報改革を進めている同協議会がイメージキャラクターの制作を始めたのは、昨年11月に市民から「社協がより市民に身近な団体となってほしい」と、キャラクター制作費用の寄付を受けたことがきっかけ。
同月28日に総務課の石橋厚子さん(45)を中心としたプロジェクトチームを発足。第1回プロジェクト会議を開き、「住民へのメッセージを込めることで同協議会が抱えている課題を解決できるキャラクターにしよう」と、コンセプトやデザインなど全てを役職員の手で行うこととした。
同年12月の第3回プロジェクト会議では、職員から100を超えるキャラクター案が出され、「かわいらしさ」「親しみやすさ」「頼りになるイメージ」という視点から4キャラクターまで絞り込んだが、制作費用の寄付者や同協議会の役員らへの中間報告では合格点が出ず、再度プロジェクト会議などで検討した。その後、真っ赤に熟した小枝柿である「うんだっこ」、権現様、大福、フクロウの4種類のモチーフでキャラクターデザインを検討しあい、今年3月に権現様をモチーフとしたデザインに決定。権現様にちなんだ「ガガニコニン」と、市民に笑顔を届けられるようにという思いから「にこにん」と命名した。
親しみやすさを感じさせる笑顔が印象的な「にこにん」は、人や大船渡が好きで、市内に暮らす全ての人が笑顔で安心して暮らせるまちづくりを目指して活動している、という設定。出身は五葉山で、性格は穏やかで人なつこい。誰とでも仲良くなれるという長所や、世話焼きや茶飲みが好きというプロフィールは、同協議会が目指す姿や現在実施している事業にちなんでいる。誕生日は、同協議会の設立月日である6月6日とした。
頭についている10個の鈴は、同市にある「町」の数と同じ。10個の鈴の音が共鳴するように、10町が相互に影響しあって、より良いまちになるようにという願いを込めた。
さらに、ハート形の鼻は親しみやすさの表れ。胴体は、誠実さを表す青と平和や安心を示す緑が混ざり合った青緑色とした。
この日は、同協議会が市Y・Sセンターで運営している「つどいの広場 わいわいステーション」でお披露目。利用する親子らがバースデーソングを歌って「にこにん」の誕生を祝ったほか、「にこにん」のパペットを手にした職員らが子どもたちとふれあっていた。
今後は、同協議会の広報誌「社協だより」やホームページに登場するほか、各種イベントなどで同協議会が目指す「大船渡で暮らす全ての人が、笑顔で安心して暮らせるまちづくり」をPRしていく。
同協議会の金野敏夫常務理事は「地域のみなさんから親しみを持ってもらい、頼られる社協でありたいという願いがキャラクターに込められている。全員で検討したので、職員にも自覚が芽生えている。これからも社協自体がより地域に必要な存在となるように努力していきたい」と力を込めていた。