教育分野での協力確認、高田第一中とセーブタカタが連携協定締結/陸前高田(別写真あり)

▲ 小野寺校長㊧と佐々木代表が協定書に調印=高田第一中

 陸前高田市の高田第一中学校(小野寺哲男校長)と一般社団法人「SAVE TAKATA」(佐々木信秋代表理事)は6日、市の学校支援地域本部事業を活用した教育連携協定を締結した。陸前高田の将来を担う生徒たちが、郷土を愛し、夢を持って自分の可能性を広げることができるよう、同校のキャリア教育や復興教育分野に同法人がより深く協力することを確認した。
 同法人では平成28年秋から、「10代の若者が自分たちの住むまちに関心と愛着を持ち、各人が有する知恵と行動を最大限に活かしてまちづくりにかかわる」という事業目標のもと、市内の若者を対象とした教育事業を展開。統合前の旧高田一中、旧気仙中のころから両校のキャリア教育などに協力しており、今回の協定締結でパートナーシップがより強固なものとなった。
 締結式は同校で行われ、学校側から小野寺校長、千田昭宏副校長、西條淳主幹教諭、法人側から佐々木代表、吉田隆介事務局長、山本健太教育事業マネジャーがそれぞれ出席。
 協定書に調印した小野寺校長は「子どもたちは地域の宝。学校は教育を担う場として、新たな仲間と共に誇りある高田第一中をつくる使命がある。この協定を機に、子どもたちの学びを広く深いものにしていきたい」と抱負。
 佐々木代表は「高田一中OBなので、法人はもとより個人としてもこのような機会をいただき本当にうれしく思う。子どもたちの教育に少しでも貢献できるよう先生方に指導を仰ぎながら、時には地域の仲間として、子どもたちの可能性を広げることを第一に丁寧に取り組んでいきたい」と意欲を述べた。
 同校では、歴史と伝統を大切にし、新たな仲間とともに誇りある高田第一中を創造するための「まなびフェスト」を掲げており、このうち学校においては▽学びを鍛える(授業力向上による確かな学力の育成、調査結果によるPDCA)▽心を鍛える(豊かな心の育成)▽体を鍛える(健やかな体の育成)▽家庭・地域との協働▽教育環境の充実・整備──を軸に取り組んでいる。
 同法人はこの中で、キャリア教育と復興教育の推進に協力。これまでの事業で築いてきた人脈を生かし、キャリア教育では職場体験先の選定や受け入れ交渉を請け負うなど、多忙な教職員を支える役割を担う。また、同校のブログ制作や、発行物のデザインにも携わる予定。
 佐々木代表は、協定締結によって▽事業予算が下りて取り組みの持続可能性が高まる▽新任の教職員が取り組みを理解しやすくなる▽相手の協力を得やすくなる──といった利点が生まれると見通す。
 小野寺校長は「学校に外部の団体が入り、校外の講師を呼んだりコーディネートしてもらうことは、子どもたちがいろいろな世界と出会い、夢を抱くきっかけになる」と期待していた。
 学校支援地域本部事業は単年事業のため、協定も1年ごとに更新していく考えという。