8年ぶりの海開きへ、広田海水浴場で7月中旬に/陸前高田市

▲ 震災後初となる海開きが行われる大野海岸。奥に田谷海岸が見える=広田町

 陸前高田市は今夏、広田町字前花貝地内の広田海水浴場(大野海岸)で海開きを行う。東日本大震災後、市内にある海水浴場が開放されるのはこれが初で、平成22年の夏以来8年ぶりとなる。震災前、同市の観光入込数の大部分を支えた海水浴客を呼び戻すための第一歩であり、市民のみならず内陸などからの来訪者にとっても待望の海開き。防潮堤などが復旧し、公衆トイレ・シャワー施設の整備も進められているところで、市は正式な開設日を来週にも決定するとしている。

 

震災後初で市内唯一の開放、トイレやシャワーも整備

 

 広田海水浴場は、広田町の大野湾に面する田谷海岸と大野海岸の総称で、水質の良い青緑色の海と、赤白い砂の対比が美しいビーチが広がっていた。国の名勝・高田松原とともに同市の観光資源の一つとなっており、広田海水浴場だけでひと夏に10万人ほどの人出があった。
 このうち田谷海岸は、大地震による地盤沈下の影響と大津波による防潮堤への被害などが大きく、今も流失した砂浜が回復していない状態にあるが、大野海岸は砂浜が残った市内でも貴重な浜辺。大震災翌年の24年には、震災前に高田松原で行われていたビーチバレー大会を継続する目的で、市ビーチバレー協会が大会を開催するなどし利用されてきた。
 一方、防潮堤や離岸堤の再築工事が行われていたこと、砂浜や海中に残るがれきでケガをする恐れがあることから、海水浴場としての利用は停止。昨年まで遊泳禁止措置が取られていた。市は本年度「広田大野海水浴場管理事業」として1300万円を計上。トイレやシャワー設備などを整え、7月中旬の海開きを目指している。
 7日に行われた市長記者会見で戸羽太市長は、「子どもたちにとっては、目の前に海があるのに入れないというのはつらかったろうと思う。海開きは商売をしている方なども含め、いろんな人にとって前向きになれる要素の一つ。もともと本市では海水浴場が最も大きな観光資源。高田松原で泳げるようになるまではあと3年くらいかかるとみられるが、小さい浜辺ながらもまた海開きができることは、われわれにとっても大変喜ばしい」と語った。
 市商工観光課によると、海開きは来月20日ごろに行う計画で、来週にも日取りを正式決定。同海水浴場のトイレは通年使用可能だが、シャワー施設は海開き期間中だけのオープンとする。海岸周辺では復旧工事が続けられているため、遊泳区域と禁止区域を分けるという。
 また、震災前の田谷海岸側には「海の家」も開設されていたが、大野海岸側はやや狭小なため、そうした施設は設置されない見通し。ただし、市は「地元から『テントで出店したい』といったような希望があれば、県とも調整していきたい」としている。