速さと正確さ競い合う、気仙3市町で操法競技会(別写真あり)

▲ 訓練の成果を披露する選手たち=赤崎町

上位チームは支部大会へ

 

 消防団員の技術向上と士気高揚を図る平成30年度消防操法競技会は10日、気仙3市町でそれぞれ開かれ、選手らが手びろめによる二重巻きホースの2線延長を行うポンプ車の部や、1線延長の小型ポンプの部で速さや正確さを競い合った。各競技会の上位チームは、7月8日(日)に住田町世田米の大船渡消防署住田分署で開かれる気仙支部大会に出場する。

 

2年ぶりの開催計45チーム出場/大船渡

 

 大船渡市消防団(新沼哲団長)の消防操法競技会は、赤崎町の大船渡港永浜・山口地区ふ頭で開かれた。それぞれが日ごろの訓練の成果を出し合った結果、ポンプ車の部は3分団2部(大船渡町下船渡)が2大会ぶりに優勝。小型ポンプの部は5分団1部(赤崎町長崎)が4連覇を果たした。また、ポンプ車の部の上位3チームと、小型ポンプの部の上位4チームが、それぞれ支部大会への出場権を獲得した。
 競技会は、団員相互の連携を高めることなどを目的に毎年行われている恒例行事だが、昨年は会場の確保が困難となったため、中止されていた。
 2年ぶりの開催となった競技会には、ポンプ車の部に22チーム、小型ポンプの部に23チームが出場。
 時折、霧雨が降るあいにくの空模様だったが、来場した多くの地域住民や関係者らが大きな声援を送ると、それに応えるように選手たちがきびきびとした操法を披露していた。
 支部大会出場チームは次の通り。
 ▽ポンプ車=3分団2部(指揮者・高橋明彦、1番員・川原雅之、2番員・小西太一郎、3番員・新沼善也、4番員・佐藤英征、補欠・木下啓悟)3分団1部(指揮者・平剛次、1番員・黄川田悠介、2番員・田村勇、3番員・久保田統、4番員・及川大輔、補欠・黄川田光一)6分団2部(指揮者・吉田修、1番員・三浦瑠仁、2番員・三浦広貴、3番員・高橋康則、4番員・三浦拓、補欠・田代裕)
 ▽小型ポンプ=5分団1部(指揮者・葉澤勝男、1番員・大畑大斗、2番員・磯谷慎太郎、3番員・小澤春樹、補欠・磯谷皇紀)9分団3部(指揮者・平山友之、1番員・千葉克己、2番員・平山祐介、3番員・舟野哲仁、補欠・千葉貴己)11分団5部(指揮者・大津泉、1番員・日下富弘、2番員・片山真吾、3番員・柳本拓也、補欠・田中瑛大)4分団3部(指揮者・及川宏之、1番員・細川光矢、2番員・武田聖也、3番員・金野達也、補欠・細川功)

 

これまでの練習の成果を出し合った団員たち=高田町

前回比6チーム増の26チーム出場/陸前高田

 

 陸前高田市消防団(河野吉昭団長)による市消防操法競技会は、高田町の市消防防災センターで開かれた。ポンプ車、小型ポンプの両部に26チームが出場。屯所の再建などを背景に、出場チーム数は前回の一昨年よりも6チーム増え、団員らがこれまで連日繰り広げてきた練習の成果を出し合った。
 震災後3回目、同センターを会場としては前回に続いて2回目の競技会。ポンプ車の部には8チーム、小型ポンプの部には18チームが臨んだ。
 開会式では、矢作分団1部の指揮者で、班長の伊藤正喜さん(42)が「安全、確実、迅速な競技を行う」と選手宣誓。競技が始まると、団員らが火消しの基本となる消防機器の取り扱い操作を迅速、的確に披露し、先輩団員らの「走れ!」などと鼓舞する声も響いた。
 結果、ポンプ車の部は矢作分団1部が優勝。横田分団2部が2位、矢作分団2部が3位となった。小型ポンプの部は気仙分団4部が4年ぶりに制した。2位は広田分団2部、3位は同5部と広田勢が健闘した。
 支部大会出場チームは次の通り。
 ▽ポンプ車=矢作分団1部(指揮者・伊藤正喜、1番員・佐藤雅紀、2番員・熊谷卓、3番員・村上徳教、4番員・村上俊介、補欠・髙橋翔)横田分団2部(指揮者・松田直人、1番員・佐々木良麻、2番員・松田俊一、3番員・佐々木大介、4番員・及川樹、補欠・菅野大樹)
 ▽小型ポンプ=気仙分団4部(指揮者・吉田昌善、1番員・熊谷駿、2番員・遠野正隆、3番員・合口潤、補欠・菅野伸之介)広田分団2部(指揮者・戸羽巌、1番員・加藤学、2番員・佐藤拓人、3番員・村岡一博、補欠・砂田光照)

 

今年完成した住田分署を背に操法技術を披露=世田米

17チームが新分署で技術発揮/住田

 

 住田町消防団(泉田義昭団長)の第25回消防操法競技会は、世田米の大船渡消防署住田分署駐車場で開かれた。ポンプ車では5分団2部(上有住恵山)が連覇を飾り、小型ポンプでは1分団3部(世田米中沢)が32年ぶりの優勝。両部に小型ポンプ準優勝の5分団1部(上有住両向)を加えた3チームが、地元開催の支部大会に進む。
 同町の競技会は、支部大会がある年に合わせ隔年開催。今年4月から本格供用が始まった分署駐車場が初めて会場となり、ポンプ車の部に5チーム、小型ポンプの部に12チームが出場した。
 この日は曇り空に覆われて気温が上がらず、肌寒い一日に。それでもポンプ車、小型ポンプの順で各選手が日ごろの活動でつちかった消防技術の高さを発揮し、会場は熱気に包まれた。
 終了後は、町婦人消防協力隊が軽可搬ポンプ操法を披露。閉会式では支部大会に出場する各部の表彰に加え、全体の中から動きが光った各番員一人ずつに団長賞が贈られた。
 小型ポンプを制した1分団3部の指揮者・菅野聡さん(42)は「今回の会場は火点に向かって下りの傾斜があり、やりやすい部分もあったが、往復して走る選手はたいへん。支部大会は、チャレンジャーとして頑張りたい」と話していた。
 支部大会出場チームと団長賞受賞者次の通り。
 【支部大会出場チーム】
 ▽ポンプ車=5分団2部(指揮者・水野光、1番員・佐藤孝之、2番員・佐々木竜馬、3番員・小野勇登、4番員・佐々木毅、補欠・佐々木颯)
 ▽小型ポンプ=1分団3部(指揮者・菅野聡、1番員・松田誉至、2番員・佐藤大介、3番員・菅野甲設、補欠・松田健英)5分団1部(指揮者・水野司悦、1番員・水野勝文、2番員・水野孝洋、3番員・水野正勝、補欠・水野充)
 【団長賞】
 ▽ポンプ車=皆川雄揮(6分団1部)菅村強(1分団4部)佐々木竜馬(5分団2部)山内哲(2分団1部)佐藤大地(4分団3部)
 ▽小型ポンプ=水野司悦(5分団1部)佐々木康裕(2分団2部)佐藤大介(1分団3部)菊池信昭(同2部)