調停長期化の影響問う、4議員が登壇/住田町議会一般質問2日目
平成30年6月14日付 1面
住田町議会6月定例会は13日、2日目の一般質問が行われ、佐々木春一(日本共産党)、林﨑幸正(無所属)、菅野浩正(同)、阿部祐一(同)の4議員が登壇した。この日も三陸木材高次加工協同組合(三木)と協同組合さんりくランバー(ランバー)に対する10億円超の融資金・未収金回収を進める調停を巡り、論戦が交わされた。
阿部議員は「裁判所を通しての交渉となっている。何回かの話し合いが行われたが、思うように進んでいないと聞いている」と指摘。進ちょく状況などを質した。
神田謙一町長は前日の答弁と同様、1〜5月に計5回の調停があったと答弁。さらに、町が支払いを求める相手側の内訳にふれ、現在は三木、ランバーの2事業体に加え、連帯保証人10人、保証人死去に伴う相続者4人の計16個人・団体と説明した。
当初は25個人・団体だったが、保証人死去後の相続放棄などを受けて減少した。再質問で阿部議員は「調停額について折り合うだけでも大変で、どのように負担するかをまとめるのも難しいと想定される」と、長期化の影響を懸念。当局の見解を求めた。
横澤孝副町長は「長引けば、その分両事業体の経営も厳しい状態が長く続くだろう」と述べ、なるべく早期に和解したい意向を改めて示した。さらに「調停額をこちらから提示するとなれば、まずは満額。相手側の提示される額があれば、議員の皆さんらと協議しながら対応していきたい」と述べた。
林﨑議員は、昨年7月に調停申し立てを臨時議会で議決して以降、いまだ和解に至らない現状を批判。「双方の歩み寄りはどうなっているのか」「あとどのくらいで解決するのか」と迫った。
横澤副町長は、これまで町は顧問弁護士を通じて手続きを進め、相手側も先月の調停で弁護士を選任したい意向を示したと答弁。今後については「なるべく早く和解を」とした一方、具体的な時期の見通しは明言を避けた。
退任後も協力したいとしていた多田欣一前町長の動きについても質問。横澤副町長は「前町長は債務者と話をしながら、調停がうまく進むよう調整していると承知している」と答えた。
同議員はさらに、今年3月に完成した消防住田分署車庫の土間にクラック(ひび割れ)が数多く発生していると指摘。これに対して当局側は、施工業者が現在無償で補修していると答えた。消防業務に支障は出ておらず、今週中に終了する見込みという。
トップ登壇の佐々木議員は、商店街政策の現状と課題を取り上げた。世田米川向地域の国道107号沿いではホームセンターやコンビニエンスストアに加え、今月にはドラッグストアが新たに開店する動きを指摘し、「既存商店街への影響が大きいと思われるが、商工会の対応をどのようにとらえているか」と質した。
神田町長は「ドラッグストアに関しては、床面積などの規模要件から商工会として意見を述べる機会はなかったと聞いている。商工会としての対応を考えると、やはり影響を受けると思われる既存商店のさまざまな支援だろう。商工会からは経営指導をさらに徹底していきたいとの考えを聞いている」と答弁した。
再質問で佐々木議員は「世田米商店街からさらに客足が遠ざかり、住田らしさが消えるのでは」と懸念。横澤則子企画財政課長は「これまでもさまざまなアピールをしてきたが、施策を展開する体制をどう構築していくかが課題ととらえている。今後も検討したい」と述べた。
菅野議員は生活道路の整備を取り上げ、町道の舗装率などを質問。神田町長は町道164㌔における舗装率は55・2%と示したうえで、今後も緊急度や利用頻度などを判断しながら年間2路線前後で着工し、道路環境向上を目指す考えも示した。
さらに「限られた予算内での範囲」と前置きをしつつ、景観に配慮した道路整備も進めるとし、理解を求めた。