「川床」で絆を深めよう、熊本の子どもたちを〝招待〟/住田

▲ 「川床あそび」を今年も開催へ(写真は昨年の様子)=世田米

 住田町世田米を流れる気仙川の町運動公園ふれあい広場付近で7月28日(土)、地域住民で構成する住田食材研究会(藤井洋治会長)などが主体となって運営する「川床あそび」が開かれる。川べりに木製の川床を用意し、地元食材を味わいながら夏遊びを満喫できる催しで、昨年開催時には好評を博した。今年は、熊本地震の被災地からも子どもたちが訪れる予定で、関係者は住田ならではのもてなし充実に意欲をみせている。

 

今年は7月28日に開催へ

 

 今年は同研究会に加え、住田テレビ向けの独自番組を制作している「ねんぷにやっぺしの会」(岩城和彦会長)、チェーンソーアート倶楽部杣遊会(泉田晴夫会長)、交流人口拡大を見据え町地域おこし協力隊員が立ち上げた「アリス企画」(金野正史代表)などが運営・準備にあたる。
 各団体関係者らが定期的に集まる異団体交流会の中で、本年度の開催が決定。町の「みんなでつながる町づくり事業」からの助成も見据える。13日夜に町役場で会議が行われ、関係者は企画や当日の流れを協議しながら成功を誓い合った。
 気仙川の浅瀬が広がるふれあい広場付近は、対岸に藩政期からの伝統を受け継ぐ蔵並みがある。さらに、下流には風情あふれる昭和橋が架かり、自然と歴史が調和した景観を生かす。
 昨年の催しでは、子どもたちがアユのつかみ取りを体験。足を川水に浸らせ、川床ならではの涼も楽しんだ。
 今年は熊本県熊本市から、一昨年の熊本地震で仮設住宅暮らしを強いられた子どもたちが訪れる。東日本大震災で当時高校生の三男を亡くした岩城会長(58)は「一緒に頑張っていきたい」と、応援プロジェクトを展開してきた。
 一昨年8月、岩城会長らは世田米・中沢自治公民館などから協力を得て、スギ材による復興応援のメッセージ板を作成。熊本市のNPO法人ソナエトコを通じ、同市南区の舞原仮設団地に届けた。岩城会長はその後も、舞原団地を訪れるなどして住民らと交流を続けており、今回初めて熊本の子どもたちが訪れることになった。
 岩城会長は「熊本の子どもたちには、私がこんな所から来たんだということを分かってもらえれば。陸前高田市など、東日本大震災からの復興の様子も紹介したい」と語る。
 今年の川床あそびは、現段階では午前11時ごろから始める計画。同日予定されている「住田町夏まつり」前には終了する。地元食材をふんだんに用意し、広く参加を受け付け、昨年以上の盛り上がりを目指す。
 詳しい日程や企画内容が固まり次第、開催周知にも力を入れる。
 藤井会長(68)は「地元の子どもたちでも、夏休み中は川遊びが制限され、川に親しむ機会は少ない。地元内外から多く来てくれれば」と語り、期待を込める。