モニターツアーで「浜の停車場」構想示す、碁石地区まちづくり協/大船渡(別写真あり)

▲ 碁石浜後背地に描く「浜の停車場」構想をイメージしながら視察するツアー参加者ら=末崎町

 大船渡市末崎町の碁石地区復興まちづくり協議会(大和田東江会長)による「碁石・観光モニターツアー」は16、17の両日、同地区で行われた。首都圏からの参加者を迎え、地区内の視察やワークショップなどを展開。初日は東日本大震災の被災跡地を生かした「浜の停車場」構想も示し、実現に向けた意見交換も行った。
 碁石地区では震災後、外部機関と連携しながら復興まちづくりを進める。この中では、市が防災集団移転促進事業で買い取った被災跡地の利活用策も検討。このうち、碁石浜(碁石漁港)背後地は、協議会内に分科会「浜の停車場プロジェクトチーム」を設け、「碁石海岸を訪れる観光客の駐車場、人と人が交流を図る拠点」と位置づけた利用策を練っている。
 モニターツアーは、活用検討の一環として同チームが体験メニューと合わせて企画し、昨年11月に続く2回目の実施。協議会とともに地区内のまちづくり活動に取り組む東京支援機構、日本大学などを通じて8人が参加し、地区内の視察や作業体験などを通じて地域住民らと交流した。
 初日の夕方には、協議会のメンバーらとともに碁石浜背後地を視察。協議会が描く「浜の停車場」構想に耳を傾けた。
 協議会では、市や県が盛り土整地する被災跡地(面積1㌶弱)と、地権者からの協力を得た隣接地を「浜の停車場」として一体的に整備したい考え。駐車場を開設し、サクラやツバキ、中尊寺ハスなどの花々で彩るとともに、現在は碁石海岸レストハウス前にある石製の碁盤「碁石浜」の移設、トイレや売店、展示室などの機能を備えた「番屋群」の建設、ビオトープの設置などを描いている。
 参加者らは構想をイメージしながら周辺を見て回り、「春はサクラで夏はハスであれば、秋らしい植物も植えては」「山手に見張り小屋やツリーハウスがあってもいいね」などとさまざまなアイデアを出し合った。また、視察後に碁石地区コミュニティセンターで開かれた協議会定例会でも意見を交換した。
 大和田会長(76)は「碁石浜背後地は碁石観光地の中心部でもあり、地権者の方々からも活用を望む声があった。ツアー参加者の方々からもアイデアを出してもらい、一番の課題である資金調達方法を考え、早期の完成を目指したい」と話していた。