健康食の海藻 早くも好評、マイヤが「アカモク」販売
平成30年6月23日付 7面

広田湾産を原料に、県内外スーパー全18店舗で
大船渡市に本社を置く㈱マイヤ(井原良幸代表取締役社長)は、経営する岩手、宮城両県のスーパー「マイヤ」や関連会社経営の計18店舗で、陸前高田市の広田湾産の海藻「アカモク」の加工品を販売している。近年、スーパーフードとして全国的に注目されているアカモク。販売開始して11日とデビューして間もないが、売れ行きは内陸を中心に好調で、「広田湾産の知名度アップにもつながる」と関係者が期待を込める。
アカモクは、ワカメなどと同じ褐藻類で、岩場に自生する一年草。気仙では「ギバサ」「ジバサ」などとも呼ばれている。
海中にはアカモクの密集地も散見され、漁船に絡まるとして漁業者の間で「厄介者」扱いされてきた。一方で近年、体の代謝機能を向上させ、肥満を抑制する効果やインフルエンザ感染の予防効果がある成分が含まれているとされ、健康・美容食として脚光を浴びるようになった。
マイヤはこれまで秋田県産を販売してきたが、今年は地元産を取り扱うこととし、広田湾漁協に協力を依頼。4〜5月に広田町や気仙町で初めて収穫された。
アカモクの収量は約15㌧となり、宮城県気仙沼市の水産加工会社に加工を委託。粘りとともにシャキシャキとした食感が特徴で、パッケージには広田湾の写真を背景に、「広田湾産ギバサ」の文字をあしらった。
商品は1パック47㌘入りの2パックで、価格は198円(税別)。今月12日から本県、宮城県気仙沼市のマイヤ16店舗、山田町の関連会社びはん㈱の2店舗で販売している。
マイヤ商品部生鮮グループによると、花巻市のアルテ桜台店を筆頭に各店舗で人気を博しているといい、年間の売り上げは前年を大幅に上回る見込み。十分な原料を確保できたため、今後も各店で販売できる見通しとなっている。
同漁協業務課の戸羽新二課長は「『広田湾』の名を広める絶好の機会。地元のほかの海産物にも関心を持ってもらうきっかけともなれば」と期待する。
同グループの遠藤康郎グループ長は「漁協や漁業者の協力のもと、販売に至り感謝している。ご飯にのせて食べるなどシンプルに味を楽しめる食材。多くの人に食べていただきたい」とPRする。