教養深め 親睦図る場に、社会人交流サークル設立/大船渡

▲ 昨年11月のプレイベント(写真)などを経て、社会人交流サークルが正式に発足

企業・団体が連携

 

 社会人が知識や教養を深め、広く親睦を図る機会を創出しようと、大船渡市内の21企業・団体が連携して22日、「社会人交流サークル」を設立した。今後は7月から会員を募集し、研修会や交流会の開催、会員間による各種サークル結成の支援、市内の既存サークル等とのマッチングなどを推進。社会人生活の充実と地域発展へつなげていく。

 

7月から会員募集

 

 全国的に人口減少と少子高齢化が進む中、大船渡市が平成29年度に20〜39歳の市民を対象に行った「若者意識調査」では、7割が「結婚したい」と回答。既婚者のうち、配偶者との出会いでは友人や職場に関連するケースが7割を占めた。このほか、余暇を「自宅で過ごす」と答えた人が4割余りいることなどが分かった。
 こうした結果を踏まえ、同市結婚相談・支援センターが「社会人生活の充実を図るために交流の場を整備し、気軽に交流関係を広げていくことが地域社会の発展につながる」として、社会人交流サークルの設立を市内の企業や団体に提案。昨年秋から2回のプレイベントを開催したほか、今年1月には趣旨に賛同する企業・団体が中心となって設立検討委員会(志田寿委員長)を設置し、本年度の運営組織設立に向けて準備を進めてきた。
 大船渡町の防災観光交流センターで開かれた設立総会には、設立検討委の構成員のうち、委任状も含む16企業・団体が出席。志田委員長(大船渡市農協)は「このようなサークルは社会人が中心となって個別に立ち上げるのが一般的だが、大船渡では地域の企業・団体で運営組織を整備する。気軽でゆるやかな社会人交流の場が気仙地域に創発され、地域と企業と社会人の幸福度が充実し、地域社会の発展に寄与できれば」とあいさつした。
 議事では、組織の名称と会則、本年度の役員選出、事業計画と予算の各議案を原案通り承認、決定。会長には志田委員長を、副会長には小山泰司氏(龍振鉱業㈱)と磯谷真琴氏(医療法人勝久会)を選出した。
 組織名は「大船渡市社会人サークル」とし、▽会員の知識教養を高める▽会員相互の親睦交流を図る▽地域の持続的発展を図る──などの各事業を展開。地域の企業・団体が連携して社会人に多様な体験・交流機会を創出し、その生活の充実と地域社会の発展を目指していく。
 会員対象は、18歳以上の社会人。個人のほか、法人や団体単位で入会する正会員と賛助会員で構成する。会費は正会員のみ1万円で、個人と賛助は無料。ただし、イベントへの参加、サークル活動費などは別途必要。
 会員募集は7月1日(日)からの予定で、連携する企業・団体などでチラシを配布。開設予定のサークルホームページ、SNSでも情報を発信していく。
 事業計画によると、本年度は社会人としての教養を高めるための勉強会と交流会を3回ずつ開催。さんま焼き師認定試験や漁火イルミネーションなどの既存イベントにも参加(任意)し、会員拡大を図る。サークルの愛称も募集する。
 また、趣味などが同じ会員同士でサークルを立ち上げる際には支援。市内で活動するスポーツ、文化、郷土芸能、ボランティアなどのサークルや団体に、希望する会員が参加できるよう、情報収集と連携も図っていく。
 サークルでは社会人が知識を深め、交流する場を築くのはもちろん、強みである企業・団体の連携を生かした多彩な活動を進めていく考え。市内に眠る資源の掘り起こしや地域活動の担い手対策、新たな交流人口の創出などにもつなげていきたいとしている。