ブロック塀の安全点検を、大阪の地震受け国交省がチェック項目作成

▲ ブロック塀点検のチェックポイント(出典・国交省ホームページ)

 18日に発生した大阪府北部を震源とする地震で、ブロック塀の倒壊によって2人が犠牲となったことを受け、国土交通省は21日、既設の塀の安全点検のためのチェックリストを作成し、同省ホームページに掲載。併せて特定行政庁に対し、塀の所有者などに安全点検を行うよう注意喚起するように要請した。県もホームページに同様のチェックリストを掲載して注意を促しているほか、県沿岸広域振興局大船渡土木センター建築指導課(℡27・9199)で住民からの相談を受け付けている。

 

大船渡土木セで相談受付

 

 点検の対象となるのは、補強コンクリートブロック(BC)造と組積造の塀。補強BC造は、BCを鉄筋で補強して地震や風に耐える耐力壁をつくり、壁頂部は鉄筋コンクリートの梁(はり)でつないで一体化したもの。一方、組積造は、石やレンガ、BCを積み上げて作る構造となっている。
 チェックポイントは、塀の高さや厚さ、控え壁など6項目に分かれている。控え壁は、壁に対して直角に突き出ているもので、壁が倒れるのを防ぐ役割がある。
 補強BC造の場合、塀の高さは地盤から2・2㍍以下、厚さは10㌢以上(高さが2㍍を超える場合は15㌢以上)で、塀の長さ3・4㍍以下ごとに塀の高さの5分の1以上突出した控え壁が必要。
 組積造の場合は、高さが地盤から1・2㍍以下で、十分な厚みがあり、長さ4㍍以下ごとに塀の厚さの1・5倍以上突出した壁が必要となる。
 また、いずれの構造の場合も、基礎の有無や傾き、ひび割れがないかといった健全性もチェックする必要がある。
 いずれも外観で点検できるが、補強BC造は問題が発見された場合、補修方針を検討するため、ブロックを一部取り外し、鉄筋の接合方法などを建築基準法と照らし合わせて適切か調べる必要がある。
 その場合、建築士や工事業者などの専門家の協力を得て、診断するのが望ましいとしている。
 同省では、特定行政庁に対し、これらのチェックポイントについてホームページや広報紙などを通してブロック塀の所有者などに周知するとともに、所有者などからの問い合わせに対応するように求めている。
 また、周知の際には、危険性が確認された場合に通行者への注意表示や補修、撤去が必要なことを注意喚起するよう、併せて呼びかけている。
 同省の要請を受け、県ではホームページに同省と同様のチェックポイントを掲載し、所有者らに適切な維持管理などを求めている。
 また、県大船渡土木センター建築指導課で住民らからの相談を随時受け付けるなどの対応にあたっているが、26日現在、相談は寄せられていないという。

 

敷地内でのブロック塀設置なし/気仙の学校

 

 気仙3市町の各教育委員会によると、敷地内にブロック塀がある学校はない。
 大阪府北部を震源とする地震で大阪府の女子児童がブロック塀の倒壊に巻き込まれて亡くなったことを受け、文部科学省では、各都道府県の教育長らに対して幼稚園、小中高校、特別支援学校などにあるブロック塀について耐震対策や劣化・損傷状況などの点検や、判定基準を満たさないブロック塀への注意喚起を行うなどの安全対策を講じるよう19日付で通知していた。
 気仙3市町教委では、同省からの通知文書を学校に通知するなどして注意喚起を行っているという。