スポーツ環境 充実へ、市営球場 あす供用再開/大船渡(別写真あり)
平成30年6月30日付 7面

東日本大震災後に応急仮設住宅が整備されていた大船渡市末崎町の市営球場は、仮設住宅撤去後の復旧と安全対策工事を終え、7月1日(日)に供用を再開する。市内の社会体育施設の復旧がまた一つ完了し、震災後におけるスポーツ環境の充実が図られると期待される。管理する市体育協会では利用予約の受け付けを行っており、市は「震災前のように使ってもらえれば」と市民らの利用を呼びかけている。
復旧と改修工事完了、市民らの利用呼びかけ
市営球場は昭和39年度に使用を開始し、45年には第25回国民体育大会の一般軟式野球競技を開催。平成10〜11年には国のスポーツリフレッシュ事業補助による全面改修として、スコアボードの電光化、球場の拡張などが行われた。
市教育委員会によると、近年の延べ利用人数は20年が約1万8000人、21年は約1万5500人、22年は約1万6200人。市内における野球競技の拠点として、幅広い年代に利用され、親しまれてきた。
そんな中、震災が発生。球場自体は津波被害を免れたものの、グラウンドには仮設住宅134戸による大田団地が整備され、利用休止となった。
その後、防災集団移転促進事業や災害公営住宅の完成などによる住宅再建の進展に伴い、仮設住宅の退去者が増加。大田団地は29年3月末をもって入居者の退去が完了し、その後は県による仮設住宅の解体、撤去、グラウンド復旧工事が行われた。
同年度からは、復旧に合わせて安全対策などを目的とした改修工事にも着手。ダッグアウト等の塗装、ベンチの更新、スタンド部クラックなどの補修、トイレ棟配管等修繕に取り組んだ。事業費は約1600万円。
本年度は、天然芝の養生を行うとともに、ラバーフェンスについて外野側は補修し、内野側には新設する工事を行った。事業費は約1960万円となっている。
こうして復旧、改修を行った球場は、両翼95㍍、センター120㍍。観客席は約1000人が収容可能。本年度は今後、スコアボードの修繕(事業費約490万円)も計画している。
利用時間は午前6時〜午後6時。照明機能がないため、夜間の利用はできない。年末年始(12月29日〜1月3日)は休み。
球場の管理を担う市体育協会(盛町、℡27・1001)では、利用予約を受け付け中。29日時点で、野球チームの練習や、社会人の野球大会といった予約が入っているという。
予約は市体協窓口で直接受け付け。利用状況は電話による問い合わせに応じるほか、市のホームページからも確認できる。
市教委生涯学習課では「社会体育施設の復旧が進み、残るは三陸町越喜来の山村広場のみとなった。加えて、赤崎グラウンドのような新しい施設もでき、震災前に比べてスポーツ施設の環境は整ってきている。市営球場についても利用者が増え、震災前の状況に戻ってくれれば」と話し、多くの利用を呼びかけている。