夏空に銀鱗、活気広がる/気仙川、盛川でアユ釣り解禁(動画、別写真あり)
平成30年7月3日付 1面

陸前高田市と住田町を流れる気仙川と、大船渡市を流れる盛川で1日、アユ釣りが解禁となった。待ち望んでいた釣り人たちが早朝からさおを伸ばし、当たりの手応えを満喫。川岸はにぎわいに包まれ、夏到来を告げた。

盛川にも市内外から釣り人が訪れた=日頃市町
気仙川では、午前4時の解禁前から、県外ナンバーを含む車両が川沿いに並んだ。住田町では土砂災害警戒情報が出されるなど、前日の夕方から夜にかけて局地的な降雨に見舞われた影響で、川水にはにごりがある中での解禁となった。
午前はすっきりとした青空に恵まれ、にごりは気温の上昇とともに解消。世田米の昭和橋下流側などでは、太公望たちによるさおの列が生まれ、夏の風物詩が広がった。
着実に釣り上げていった世田米の小野田利文さん(53)は「にごりがある中でも数はあるし、型も良い。これからにも期待できる」と話し、笑顔を見せた。
気仙川漁協(小山公喜組合長)によると、一人で100匹超を釣り上げたとの報告も。今年は他の河川と解禁日が重なったが、前年並みの約400人が楽しんだ。
気仙川では現在、県内水面水産技術センターによる遡上(そじょう)調査が行われている。今年6月以前に採捕したうち、ひれの一部を切除した後に再放流を行っているもので、釣った場合は川沿いの種あゆ・遊漁券販売所に持ち込むよう協力を求めている。
一方、盛川にも市内外から釣り人たちが足を運び、狙いをつけていたポイントへ釣り糸を垂らした。
前日の雷雨による川のにごりも解禁時間にはなくなり、水温も午前9時ごろには17度ほどに上がるなど絶好の釣り日和に。
盛川漁協によると、一人あたりの平均釣果は15~20匹で、中には60匹ほど釣り上げる人も。今年は春先から太平洋側の河川で天然アユの遡上が多いといい、例年であれば8月ごろに釣れるサイズのアユが多く見られた。
同漁協の佐藤由也組合長は「今月下旬には水量も増えて釣果もさらに良くなるのでは」と話していた。