農業振興の一助に、佐藤さん(日頃市町)がドローンでの農薬散布資格取得

▲ 旭川市で認定試験に臨んだ佐藤さん

 大船渡市日頃市町在住で、東日本ドローン協会岩手支部長を務める佐藤健さん(43)が、農林水産航空協会による「産業用マルチローターオペレーター技能認定」に合格した。農薬散布のための小型無人飛行機「ドローン」を飛ばす操縦資格で、人力やヘリコプターでの散布と比べて格段に作業効率が優れているという。佐藤さんはこの資格を活用した農業振興意欲をみせている。
 震災で被災し、平成27年に大船渡町から日頃市町に移住した佐藤さんは、農業人口の減少や後継者の不在など地域農業の課題を間近で見てきたことから、「何か役に立てるのではないか」との思いで資格取得を決めた。
 資格取得には延べ5日間の学科・実技の講習、試験を受ける必要がある。合格するためにはドローンの知識・操作技術だけではなく、農業関係の幅広い知識も必要。農業従事者ではない佐藤さんだが、短期間ながら勉強に励み、先月25〜29日まで北海道旭川市で技能認定に臨んだ。
 講習では教官から操作の指導などを受けながら合格を目指し、晴れて認定を受けた。同協会によると、気仙地区での認定は佐藤さんが初めて。資格証は今月20日以降に届くといい、機体の購入はそれから検討する。
 気仙地区内での活動を予定しており、管内農業関係団体との連携については、今後、話し合いを重ねながら体制づくりをしていく。
 佐藤さんは「今後の農業分野において可能性のあるものだと思う。普及活動や実証実験をやっていきたい。農業推進につながっていけば」と話していた。