試験合格へ〝大船渡流〟学ぶ、さんま焼き師認定試験(動画、別写真あり)
平成30年7月15日付 8面

各地から102人受験
本州一の水揚げ量を誇る大船渡市のサンマを通じ、全国へ〝さんまのまち大船渡〟の情報発信などを図る「さんま焼き師認定試験」は14日、同市魚市場で始まった。焼き師の認定を目指し、4回目の試験には全国各地から102人が受験。初日はサンマの炭火焼き講習が開かれ、受験者らは実践を通じて〝大船渡流〟のサンマ焼き技術を身に付けた。2日目の15日は、同じ会場で筆記試験などが行われる。
試験は市観光物産協会(齊藤俊明会長)が主催。全国へ〝水産のまち大船渡〟としての情報を発信するとともに、大船渡市ファンの獲得や地域力の維持、強化を図ろうと平成28年度に初実施。これまで3回開かれ、合格した全国の231人が「さんま焼き師」として認定を受け、各地のさんままつりでも活動している。
今回は、地元をはじめ愛知や東京などから受験。さんりく・大船渡ふるさと大使を務め、『オラ!サンマ!』などのサンマソングも手がけるアカペラユニット・XUXU(しゅしゅ)の3人も臨んだ。
認定試験の講師は、昨年「さんま焼き師師範」の第1号認定を受けた大船渡商工会議所職員の田端隆志さん(58)。受験者らは10グループに分かれ、道具の準備から火おこし、サンマの焼き方、提供までの一連の流れを実践した。
田端さんは各グループをまわり、「サンマを焼くときは頭としっぽを持ち、腹を左側にして網の上に」「サンマの脂で火が出たら、すぐにペットボトルの水で消すように」などとアドバイス。受験者らは助言をもとにサンマをこんがりと焼き上げ、一口ほおばると「おいしい」「炭火焼きは違うね」などと満足げな表情を見せた。
盛岡市から家族と参加した岡田優花さん(16)=盛岡中央高校2年=は、「地域おこしをしたいと考えており、その参考にと受験した。サンマを焼いて食べることで交流が生まれるし、大船渡のサンマのおいしさ、本州一の漁獲量であることも伝えられる。焼き師としての活動ができるよう、あすは合格を目指して試験を頑張りたい」と話していた。
講習会後の夜には、大船渡プラザホテルで初企画となる「全国さんま焼き師活動報告会・交流会」を開催。全国各地の焼き師らが集い、交流を図った。
15日は午前10時から、魚市場でサンマの知識を学ぶ事前研修を実施。同11時からは筆記試験が行われる。