「ケセン」の思いを音に込めて、種山でKRFが開幕/住田(別写真あり)

▲ 2日間にわたる感動のステージが開幕=種山ヶ原イベント広場

 「ケセンロックフェスティバル」(KRF、同実行委主催)は14日、住田町世田米の種山ヶ原イベント広場で始まった。初日は、9組のアーティストが出演。県内外から多くの音楽ファンが詰めかけて感動的なステージに酔いしれるとともに、200人以上が犠牲となり、多くの被災者が避難所生活を送る西日本豪雨被災地などの早期復旧・復興にも願いを込めた。15日もメーンステージには8組が出演し、音楽で熱く彩る。

 

きょうも開催、豪雨被災地への気づかいも

 

 KRFは、平成20年に大船渡市で開かれた「OFUNATO ROCK FESTIVAL」が前身。翌21年、22年とKRFとして種山で開催してきた。
 23年は東日本大震災の影響で開催を見合わせたが、24年に復活。以降、地域の若者が中心となって実行委組織を運営し、その情熱に感銘を受けた人気アーティストが早期復興を願いながら集結するロックフェスとして定着している。
 被災の影響で開催できなかった無念さを経験した実行委メンバーと、その思いを共有してきたアーティストや音楽ファンたち。種山に集まった人々は、音楽を楽しめる尊さをかみしめながら、西日本豪雨や大阪北部地震の被災地に思いをはせた。
 初日は音楽ジャーナリストで、実行委メンバーとも親交が深い鹿野淳氏のDJステージで開幕。来場者には「今年も、みんなが当たり前に来れたことを感謝しよう」と語りかけた。
 引き続き登場したのは、毎年KRFへの出演を重ねるHAWAIIAN6。本来、今月8日には京都府宇治市でのライブイベント「京都大作戦」に出演予定だったが、豪雨の影響で公演中止となった。京都大作戦は、2日目のKRFに登場する10─FEETが毎年主催している。
 メンバーは熱演を繰り広げるだけでなく、曲間には「東北の経験をふまえて、いろいろなことをやらせてもらっている。あの時のことがあるから、今できることがいっぱいある」と呼びかけた。来場者は大きくうなずき、青空に早期の復旧・復興を願った。

グッズ販売コーナーでは募金の呼びかけも=同

 最前列でステージを見つめていた東京都町田市在住の芦口徹さん(42)は「これまで、東日本大震災の支援をはじめアーティストの有言実行の姿勢に、僕たちも背中を押されてきた。『ケセン』のステージからメッセージを受け取ったので、自分たちのできる中で何かをやっていきたい」と話した。各飲食店やグッズ販売ブースに募金箱が置かれ、次々と善意が寄せられた。
 15日も午前9時30分開場、10時30分開演。開演に先立ち陸前高田市の和野七夕祭組によるステージが行われたあと、サンボマスター、ストレイテナー、NAMBA69、BRAHMANなど8組が出演。同日は2500人の来場が見込まれ、地元内外のボランティアスタッフら約500人が運営を支える。