さんま焼き師の絆結ぶ、約60人が参加し初の報告会・交流会/大船渡(別写真あり)
平成30年7月17日付 1面

大船渡市で平成28年度から行われ、昨年度末までに231人が合格した「さんま焼き師認定試験」。合格者が〝さんま焼き師〟として全国各地で活動を展開する中、初企画となる「全国さんま焼き師活動報告会・交流会」が14日夜、大船渡町の大船渡プラザホテルで開かれた。市内外から約60人が参加し、活動報告やミニライブなどを実施。参加者らは各地におけるさんま焼き師の活動に理解を深めて今後の参考にするとともに、一大船渡ファンとしても絆を結んでいこうと誓い合った。
各地での活動を紹介
さんま焼き師認定試験は、本州一の水揚げ量を誇る大船渡市のサンマを通じ、全国へ〝さんまのまち大船渡〟〝水産のまち大船渡〟としての情報を発信するとともに、大船渡市ファンの獲得や地域力の維持、強化を図ろうと、同市観光物産協会(齊藤俊明会長)が主催。
28年度は1回、29年度は2回行われ、大船渡式のサンマ焼き技術を身に付けた合格者らが、さんま焼き師に認定された。今月14、15の両日に行われた4回目の試験には、中学生から一般まで全国の102人が受験。後日、各自に合否が通知されることとなっている。
これまで認定された焼き師の中には、三陸・大船渡東京タワーさんままつりなどのイベントで焼き師を務めたり、地元で大船渡のサンマを焼いて提供する活動を行う人も。さんま焼き師の活動が活発化し、徐々に広がりをみせる中、同協会では焼き師らが親睦を深める機会をつくろうと、初の活動報告会・交流会を開催した。
会には、市内外の焼き師や第4回試験の受験者らが参加。主催者を代表し、齊藤会長が焼き師らの活躍に感謝を表しながら、「活動の情報交換を通じ、大いに交流を深めてほしい」とあいさつ。市の鈴木弘観光推進室長が戸田公明市長からのメッセージを紹介した。
乾杯後の活動報告には、焼き師である栗原正明さん(60)=埼玉県入間市、デラワリ・ケイさん(31)=神奈川県相模原市、伊藤清一さん(71)=一関市、鈴木貴晶さん(43)=愛知県蒲郡市、森谷一弘さん(37)=宮城県柴田町、米本滋さん=東京都港区=の6人が登壇。さんま焼き師を目指した理由、活動内容を紹介した。
このうち、栗原さんは地元のイベント「入間万燈まつり」で大船渡のサンマを提供するため、29年夏の第2回試験を受験。見事合格し、同年10月のまつりでは600匹のサンマを完売したと説明した。今年のまつりでは1000匹の提供を目指すとし、「ぜひ、関東在住の方や岩手からも焼きにきてもらいたい」と呼びかけた。
栗原さんと同じく、第2回試験に合格した伊藤さんは受験時に生まれた縁がきっかけで、県内の介護施設などで焼き師の活動を行ったと紹介。大船渡の早期復興にも心を寄せ、「大船渡が大好き。大船渡のためになれれば」と焼き師として支えていく決意も誓った。
そのほかの報告者も、大船渡への思いをはじめ、さんま焼き師や大船渡のサンマを全国へPRしていくためのアイデアなどを発表。報告者らには齊藤会長から記念品が贈られた。
会では、第4回試験を受けたさんりく・大船渡ふるさと大使のアカペラユニット・XUXU(しゅしゅ)によるミニライブも実施。参加者らはさんま焼き師同士、地域や年齢を超えて親睦を深め合い、大船渡の復興、地域活性化に向けて活動を進めていこうと気持ちを新たにしていた。