9月に「まちびらき」、多彩なイベントを計画/陸前高田

▲ まちびらきに合わせ、川原川にかかる館の沖橋(仮称)を含め現在工事中の高田南幹線が通行可能となる=陸前高田市

 陸前高田市は24日、市議会全員協議会で9月29(土)30(日)の両日に高田町の中心市街地の「まちびらき」を行うと報告した。復興まちづくりを進める中において、同市がまちびらきの催しを実施するのはこれが初めて。両日は市内の福祉施設関係者・芸能団体などによる毎年恒例の「ふれあいまつり」や、震災後に始まったサイクリングイベント「ツール・ド・三陸」なども併せて開催することで、市街地へ大勢の人が足を運ぶ場面をつくり、復興が進むまちの姿を市内外へ広く発信する機会にしたいとしている。

 

市議会全協で当局が報告

交通広場完成などに合わせ


 高田地区のかさ上げ部に整備された中心市街地は、昨年4月に大型商業施設「アバッセたかた」の開業、「まちなか広場」の供用を開始したのを皮切りに、個店の建設やコミュニティー施設の開設などが進み、この1年余りで着実に〝町並み〟が形成されつつある。
 一方、周辺の道路は盛土工事に伴う切り替えが頻繁に行われ、中心市街地までは市内どの方角から来ても、う回を余儀なくされる不便な状態が続く。
 しかし、9月29日にはアバッセ前の市営駐車場南側にある高田南幹線道路が開通。30日にはJR大船渡線BRTや県交通路線バス、乗合タクシー、デマンド交通などが乗り入れる「交通広場」が供用開始されるなど、市街地までの経路短縮、利便性向上が図られる。
 これを受け、市は復興が進展するまちの様子を知ってもらう場にしようと「まちびらき」イベントを計画。まちびらき実行委員会(構成団体=ふれあいまつり実行委、ツール・ド・三陸2018実行委、陸前高田商工会、㈱ミライロ、UR都市機構、市商工観光課、地域福祉課、都市計画課、市街地整備課)を立ち上げ、9月29、30の両日にさまざまな催しを計画する。
 現段階の案では、29日にふれあいまつりとツール・ド・三陸の前日セレモニーの開催、南幹線のうち川原川にかかる「館の沖橋(仮称)」の渡り初め、「ノーマライゼーション学校(仮称)」などを予定。30日には記念式典とツール・ド・三陸の本イベント、交通広場完成式等を計画する。
 このうちノーマライゼーション学校(仮称)については、ユニバーサルデザインのまちづくりに関して市と協定を結ぶ㈱ミライロの垣内俊哉社長が、中高生を対象に高田町の市コミュニティホールで講話するほか、実際にまちなかへ出向き、商店内にあるノーマライゼーションの工夫などを生徒らと一緒にチェックするといった内容を検討している。
 ふれあいまつりや式典は、市営駐車場の一画にステージを設置して実施する予定。同まつりは市コミュニティホールなど屋内を会場としてきたが、屋外における公開開催によって、これまでにない客層を獲得することも期待される。
 また、両日ともアバッセ脇の本丸公園通りとまちなか広場周辺での出店、各種団体等によるイベント開催といった構想もある。
 市建設部の阿部勝部長は、「未来を担う子どもたちにも参加してほしいという思いがあり、現在どのようなことができるか検討している。まちびらきをきっかけに、これまでご支援くださった皆さまに感謝する場を設け、まちづくりが進んでいることを全国にPRできれば」としている。
 同日の全員協議会ではこのほか、▽シンガポール共和国文化社会青年省との2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会ホストタウン推進事業にかかる覚書の締結▽東日本大震災復興交付金事業▽7月の西日本豪雨災害にかかる職員派遣──などについても当局から報告があった。