参院任期1年切る、出馬表明は現職のみ/岩手選挙区

来夏改選へ

 

 第23回参議院議員通常選挙(平成25年)で当選した議員の任期満了となる31年7月28日まで、残り1年を切った。来夏予定される改選に向け、岩手選挙区(改選数1)では現段階で、3期目の現職・平野達男氏(64)が自民党公認での立候補を表明している。これに対し、近年の国政選挙において統一候補を立てて臨んできた野党側に表立った動きはまだ見られず、今後の動向が注目される。

 参院定数は選挙区146人、比例区96人の242人。議員の任期は6年。3年ごとに定数の半数(選挙区73人、比例48人)が改選を迎える。
 今月、定数を6増やす公職選挙法改正案が成立し、来夏の参院選から適用されることとなった。選挙区は148人、比例区は100人となり、改選数は選挙区が74、比例区が50となる。
 岩手選挙区の改選数は、これまで通り1のまま。30日現在、立候補を表明しているのは、現職の平野氏のみとなっている。
 平野氏は北上市出身、東京大学卒。岩手県農地計画課長、関東農政局設計課長、農林水産省農村振興局設計課技術調査官などを経て、13年に自由党公認で初当選、同19年に民主党公認で再選。参院予算委員長、復興大臣などを歴任した。
 25年の選挙には民主を離党して無所属で臨み、自民、民主、生活、共産などの他5候補との混戦を抜け出して3選。その後の28年に自民党に入った。
 改選に向けては今年6月、党県連(千葉伝会長)が公認候補予定者として党本部へ上申することを決め、党本部では今月20日、第1次公認候補予定者として決定。県連は今後、選挙対策本部設置など体制づくりを本格化させていく方針だ。
 同氏は「人口減少問題、1次産業、中小企業、小規模事業者、財政再建などの課題に引き続き取り組んでいきたい」と意欲。震災復興については「ハード部分については形が見えてきたが、まちづくり、なりわいの復活はまだまだという地域もある中で、国がまだ中心となり後押ししていかなければならない」としている。
 県内野党は27年の知事選で現職の達増拓也氏(54)を推して以降、国政選挙においても共闘のスタンスを取る。翌28年に行われた参院選では、新人の木戸口英司氏(54)を初当選させる原動力となった。
 昨年の衆院選では統一候補として民進の元職・畑浩治氏(54)を擁立したが、公示直前の民進、希望の両党合流により同氏は希望公認候補として出馬することに。争点の一つとなった改憲について両党間の考えに〝ギャップ〟が生じるなど支持者らの混乱を呼び、自民党現職の鈴木俊一氏(65)に敗れた。この衆院選は大幅な区割変更のもと行われ、長く「非自民」が上回ってきた気仙でのパワーバランスに変化をきたす結果ともなった。
 共闘に亀裂を生んだ民進、希望の両党は今年5月、合流して国民民主党を結党。本県では6月に県連結成大会が行われ、代表には元衆議院議員の黄川田徹氏(64)=陸前高田市=が就任。連合岩手など労働団体との連携を保ち、参院選での統一候補擁立を目指すとしており、共産、社民、自由各党との協議の進め方や主導権握りの行方が注目されそうだ。
 25年と28年の参院選岩手選挙区の結果は別表の通り。