事故の際の対応確認、新鍬台トンネルで防災訓練/大船渡(別写真あり)
平成30年8月2日付 7面

11日に一部開通の吉浜釜石道路
国土交通省東北地方整備局南三陸国道事務所は1日、三陸沿岸道路・吉浜釜石道路の「新鍬台トンネル」(仮称)で防災訓練を行った。同道路の一部開通を11日(土)に控え、関係機関が事故の際の対応を確認した。
吉浜釜石道路(延長14㌔)のうち、同トンネルを含む吉浜インターチェンジ(IC)─釜石南IC間の5㌔は11日に開通する。訓練は、トンネル内での交通事故の発生により、人身事故や車両火災が発生した場合、トンネル内防災設備の作動と関係機関の連携・支援によって被害を最小限にとどめ、2次災害の発生を防止しようと行われた。
この日は同事務所や三陸国道事務所、大船渡市、釜石市、大船渡警察署、大船渡地区消防組合消防本部、釜石大槌地区行政事務組合消防本部から合わせて約70人が訓練に参加。
訓練は、同トンネル大船渡側坑口約200㍍付近の下り線で、釜石方向に進行中の車両のエンジンルームから白煙が発生して停車したが、後続車が急停車したところにさらに後続の2台が追突する事故が発生した想定で実施。
先頭車両の運転手がトンネル内の非常ボタンと非常用電話を使用して通報し、同乗者は消火器で初期消火にあたった。
事故発生後は釜石側、大船渡側の非常警報表示板の確認やトンネル内排煙設備の作動状況確認、交通規制訓練を展開。消防では事故車両に閉じ込められた重傷者の救出や搬送を行った。
南三陸国道事務所の古川哲治副所長は「事故が起きた際に被害を最小限にするためには、こうした訓練が必要。それぞれが迅速に対応していたと思うので、開通前にしっかりとした訓練ができた」とし、「トンネル内の防災設備は充実しているが、事故を起こさないのが一番なので、安全に走行してほしい」と話していた。