災害時も地域貢献を、第一中で防災講習会/大船渡(別写真あり)
平成30年8月30日付 3面

内容見直し後 初の開催
大船渡市の第一中学校(松高正俊校長、生徒351人)は29日、3年生119人を対象とした防災講習会を開催した。防災について学びを深めるよう、これまでの内容を見直して行われた初の講習会。この日は、市防災管理室の職員を講師に招き、災害時の避難所運営について理解を深めたほか、簡易トイレ作りなどを体験し、万が一の災害時に地域の一員として活動するための知識を身に付けた。
簡易トイレ作りなど体験
講習会は総合的な学習の時間に行われた。避難所の運営支援のあり方を考えたり、行政関係者の意見を聞いて、地域安全や防災活動への意識を高め、災害時に地域住民らに貢献できるようになることを目的としている。
これまで同校では、全校生徒を対象に同様の講習会を開いていたが、内容が重複するケースがあったため、学年ごとに風水害、津波、避難所運営などのテーマを設け、防災について段階的に知識を高められるように見直しを図った。
見直し後、初となった講習会では、市防災管理室の大浦公友次長が講演。地震、津波などの災害の種類について詳しく説明したほか、東日本大震災による市内の被害や住民の避難状況について「大震災直後の3月15日時点で、8737人の市民が避難所にいた。市内の5人に1人が避難していた計算になる」などと解説した。
さらに、避難所の運営についても詳しく紹介。同校体育館が市の第2避難場所に指定されていることを踏まえ、「みなさんには学校生活もあるが、ボランティアの一員として、できる範囲で勇気を持って行動してほしい」と呼びかけた。
このあと、段ボールの簡易トイレ作りなどを体験。班ごとに分かれた生徒たちは、段ボールをカットしたり、ごみ袋にちぎった新聞紙を入れるなど、協力しながら簡易トイレを完成させていた。
金野友菜さんは「簡易トイレを作るのに、段ボールを使ったが、ほかの材料でも応用が利くように感じた。家が海の近くなので、万が一津波が襲ってきた時は、応急処置などを手伝ったりして、地域の人たちに貢献したい」と力を込めた。
朴澤一徹君は「震災当時、避難所で中学生が活躍したという話を聞いた。もし災害が発生したら、習ったことを生かして力になれれば」と話していた。