目標金額達成へ手応え、気仙の夏秋野菜3品目/大船渡市農協

▲ 年間販売金額1億円突破への期待も集まる気仙産キュウリ=住田町

 大船渡市農協(JAおおふなと、菊池司組合長)は、8月20日時点の夏秋野菜の出荷実績をまとめた。主要3品目のうち、キュウリの数量は不作に終わった前年度同期比で微増にとどまるが、真夏の収穫ピーク期前から高単価を維持し、販売金額は6481万4000円と前年同期比43%増。ピーマン、トマトの金額も前年度同期を上回り、市農協は3品目の目標金額計1億9100万円の突破にも手応えを感じている。

 

市場の品薄背景に高単価続く

 

 市農協によると、本年度の夏秋野菜の計画数量と金額はキュウリが375㌧で1億円、トマトが79・2㌧で6400万円、ピーマンが57・8㌧で2700万円。
 主力のキュウリは8月20日現在、数量が前年度同期比5%増の186㌧、金額が同43%増の6481万4000円。
 本年度は5月から収穫がスタート。東北とともに夏の主産地を担う北海道産の出回りが減ったほか、西日本豪雨により全国的に品薄となったため、東北産の引き合いが強まった。気仙産は7月中旬をピークに価格が急騰し、5㌔当たりの平均単価は同38%増の1866円となった。
 主要卸売市場の相場は例年、関東圏産が出回り始める8月下旬~9月上旬以降に落ち着くが、本年度は関東のキュウリが生育不良に陥っているという。市農協関係者は「9月中旬ごろまで高値が維持される可能性もある。生産者数が昨年よりも減った中で収量も健闘している」と話し、平成26年度以来4年ぶりの販売金額1億円突破にも期待がかかる。
 ピーマンは、数量が同26%増の25・6㌧、金額が同76%増の1333万4000円。本年度の生産者は新たに2人加わって27人となり、耕作面積は前年度よりも15%ほど拡大。1㌔当たりの平均単価は同38%増の457円とキュウリ同様高値が続き、金額は大幅に伸びた。
 一方、トマトは高温障害により着果不良に見舞われ、数量は同2%増の26・6㌧と横ばい。金額は同10%増の1644万5000円となった。トマトの周年栽培に取り組む陸前高田市米崎町の大規模園芸施設の収穫ピークが10~11月に迎えることから、今後は数量が上がる見通しとなっている。
 市農協農産園芸課の菊田勝課長は「全国的な供給量不足もあるが、生産者の丁寧な管理のもと、高い品質の商品を提供していることも金額増につながっており、市場からのクレームは一件もない。このまま順調に収穫、出荷し、生産者の所得増加につながれば」と期待を込める。