伝統継承の機運高める、芸能交流会で気仙内外6団体が演舞/越喜来

▲ 勇壮な舞を披露する金津流浦浜獅子躍=三陸公民館

 大船渡市三陸町の浦浜民族芸能伝承館(古水力館長)が主催する「三陸ふるさと芸能交流会〜心つながれ芸能の輪」は1日、同町越喜来の三陸公民館で開かれた。気仙内外の6団体による郷土芸能の披露などが行われ、来場者を楽しませるとともに、伝統の継承や団体間の横断的な連携を強めていくことを誓い合った。

 

民族芸能研究セ理事長の講演も

 

 交流会は、東日本大震災で被災した芸能団体の共演の場を設けることで、市民らに活動の現状などについて理解を深めてもらうとともに、保存・伝承の機運を高めることが狙い。県外の団体との連携強化による大震災の風化防止も目的としている。
 アサヒグループホールディングス㈱の助成を受けて行われたもので、埼玉県のNPO法人民族芸能研究センターと埼玉県太鼓民舞サークル連絡協議会が協力している。
 この日の午前中は、埼玉県の「ぶちあわせ太鼓」のメンバーら、県外からの参加者とともに同公民館からど根性ポプラ広場付近までを散策する「被災地浦浜探訪」が行われ、地元住民らが震災当時の越喜来の状況を説明した。
 続いて、同公民館で「岩手の芸能体験」と題して、剣舞や獅子躍、虎舞といった郷土芸能の体験会が行われた。

講演する狩野理事長=同

 午後は、大ホールのステージで「ぶちあわせ太鼓」が見事なばちさばきを披露したあと、古水館長が「震災後、一番遅れを取っているのが住民の心の復興。その中で人々の心の拠り所になるのは郷土の伝統芸能だと、各方面から認められつつある。後継者不足などの問題が山積している中、いかに芸能を守るかが課題だが、次世代につないでいけるよう力を合わせていきたい」とあいさつした。
 続いて、民族芸能研究センターの狩野猛理事長が「郷土芸能の現状と課題」と題して講演。
 同理事長は、全国各地で郷土芸能が消滅しつつある現状を説明したあと、「各地の伝統芸能は、『民俗』の域を超えて全国に輪を広げていくなど、新しい方策が必要ではないか」と指摘。
 さらに、「各芸能団体の人たちは、他の団体と顔を合わせていても交流することが少ない。互いの芸能を知り、忌憚(きたん)のない交流を続けていくことが、新たな方向性を見出して行くのにつながっていく」と、この催しの意義を強調した。
 最後に、芸能交流として、地元の金津流浦浜獅子躍と浦浜念仏剣舞、釜石市の鵜住居虎舞、大槌町の吉里吉里鹿子踊、岩泉町の中野七頭舞が、それぞれ郷土芸能を披露。
 地域に脈々と受け継がれてきた伝統の演舞を勇壮に披露すると、観客から大きな拍手が送られていた。