まちの復興を感じて、熱気球イベント「空を見上げてIN大船渡」(動画、別写真あり)

▲ 市民らが体験搭乗を楽しんだ「空を見上げてIN大船渡」=大船渡町

 東日本大震災復興支援熱気球イベント「空を見上げて」IN大船渡2018は1、2の両日、大船渡市内で開かれた。全国から3機の熱気球が参加し、体験搭乗や震災後に誕生した新たな憩いの場での夜間係留などを展開。市民らは気球に乗って空からの景色を満喫するとともに、復興へと歩むまちの姿も感じ取った。

 

初日は3機による「バルーンイリュージョン(夜間係留)」も=三陸町越喜来

市民ら体験搭乗など満喫

 

 このイベントは、震災で被災した子どもたちを元気づけようと、平成23年8月に大船渡で第1回を開催。その後、宮城や福島、東京で行い、今回で通算26回目、大船渡では8回目の開催となった。
 大船渡市でのイベントは、同市のNPО法人・絆プロジェクト三陸(佐藤健理事長)が主催。同市や市教育委員会、東京都のNPO法人・熱気球運営機構(町田耕造会長)が後援、長野県佐久市と本田技研工業㈱が協力し、多くのボランティアらが運営を支えた。
 今年参加した熱気球は、佐久熱気球クラブの「佐久の鯉太郎」、本田技研工業の「ASIMO」、ジャパンバルーンクラブの「AirB号」。1日は三陸町越喜来のど根性ポプラ広場で「バルーンイリュージョン(夜間係留)」が開かれ、3機が音楽に合わせてバーナーを点灯し、来場者らを幻想的な世界へ誘った。
 山田快君(越喜来中学校1年)は「気球は予想より大きかった。光が点滅するところがとてもきれいだった」と笑顔を見せた。
 2日は大船渡町の大船渡北小学校グラウンドに会場を移し、体験搭乗と熱気球教室を開催。このうち、体験搭乗には早朝から世代を超えた市民らが足を運び、気球に乗って上空20㍍からのまちの景色を楽しんだ。
 千葉夕雅君(立根小学校2年)は「気球には初めて乗った。ちょっと怖かったけど楽しかったし、空からの景色がきれいだった。また乗りたい」と話していた。
 町田会長(65)は「気球に乗ってもらい、元気づけようと始まったものだが、いまは気球から復興していくまちを見てもらいたい、震災の記憶を失わないようにしたいという思いが強い。被災地の復興はまだまだ。今後もイベントを続けていきたい」と誓いを新たにしていた。
 この日、体験搭乗の会場では赤崎町の㈱夢コンクリートが用意したおおふなトンのトレーラーダンプ車が登場。コンテナ部分におおふなトンや碁石海岸の穴通磯、市花・ツバキ、大漁旗の絵柄をラッピングしたもので、同社では来週からコンクリートの原材料運搬に利用し、市内を走らせるとしている。