市独自で11年目以降も継続、災害公営住宅家賃の減免制度/大船渡

▲ 大船渡市は市営災害公営住宅の家賃減免制度を継続(写真は資料)

 大船渡市は6日、「東日本大震災にかかる市営住宅家賃等減免規則」で新たに制定した市の独自減免分の減免期間について、「災害公営住宅の管理開始から10年間」としていた現行措置を変更し、「11年目以降も継続する」との方針を示した。これによって被災入居者の減免内容は県と同一になり、県営災害公営住宅入居者との均衡が図られることとなる。
 市は震災で被災し、住宅に困窮した低額所得者の居住の安定と速やかな生活の再建を図ることを目的に平成24年度、同規則を制定。一定所得以下の災害公営住宅入居者に対し、家賃の減免を行っている。
 同規則の減免制度には、国の復興交付金事業である「①東日本大震災特別家賃低減事業」と、「②県の減免制度に準じた内容である市独自減免」の2種類がある。市は被災者が災害公営住宅に入居する際、①と②それぞれの計算結果を比較し、入居者に有利な方を採用している。
 減免期間は、いずれも災害公営住宅の管理開始から10年間。①の補助期間が10年間であることから、市は②も減免期間を合わせ、この期間内で同規則制定の目的が達成されると想定していた。しかし、入居者には著しい低額所得者が多く、全入居者の約7割(約270世帯)が減免対象(政令月収8万円以下)となっている。
 その多くが自力再建を断念した高齢者や、体調不良などの理由で無職の入居者であり、市は収入の増加が見込めないと判断。現行の減免制度を10年間で廃止すると実質的な家賃の値上げになり、さらなる生活困窮につながることが予想されるため、著しい低額所得者に影響が大きい②のみ減免制度を継続することとした。
 例えば、1カ月あたりの収入が年金5万円のみの1人暮らし世帯の場合、年間総収入は60万円。年間総収入が65万円以下となることから、家賃の90%が減免となる。
 11年目以降の減免による減収分の見込額は、現時点で270件分、約3800万円。減収分の財源は、一般財源から充てることとなる。
 ②の継続期間は〝当面の間続ける〟こととし、具体的な期間は県や近隣市町の状況、財政状況、社会情勢等の影響をみながら今後検討。①は従来通り、災害公営住宅の管理開始から10年間で廃止となる。
 同市ではこれまで、災害公営住宅の管理開始から11年目以降の家賃について、市営は減免措置が廃止されて本来家賃となる一方、県営は震災前に制定した家賃の減免規定が適用されるとして、不均衡となることが指摘されていた。今回、市が減免措置を継続することで減免内容は県と同一となり、均衡が図られることとなる。
 西山春仁都市整備部長は「低額所得者の生活設計に対する不安を払しょくし、今後の生活を後押ししていきたい」と話している。