「引き続き市民の先頭に」、戸羽氏出馬の意向示す/陸前高田
平成30年9月12日付 1面

来年1月27日(日)告示、2月3日(日)投開票の陸前高田市長選で、2期目の現職・戸羽太氏(53)=高田町=は11日、3選出馬する意向を表明した。同市議会定例会の一般質問で議員から今後の政治姿勢について問われた戸羽氏は、「市民の先頭に立って復興を推し進めるためにも、立候補させていただきたい」と答弁。自身の後援会や支援団体と協議した上で、来月にも正式に出馬表明を行うものとみられる。過去2回の選挙と同様、政党からの支援は求めない考え。今市長選をめぐっては、出馬に意欲を見せる新人が近く正式表明するとしており、競争選挙になるとみられる。
一般質問の答弁で
支援団体と協議後に正式表明へ
戸羽氏は、三井俊介議員からの質問に答える中で出馬の意向を表明した。
同議員は災害からの復旧・復興事業に関する現在の総括と所感、来年2月に迫った市長選への思いを尋ねた。
これに対し、戸羽氏は「平成23年12月には震災復興計画を立てたが、最終年度を迎えた今も復興が途上にあることを残念に思う。復興完了はもとより、魅力的で持続可能なまちづくりをしていくため、いくつかのプロジェクトも動き始めたところであり、これらを推進することが私に課せられた責務」と述べた。
出馬への正式な決断は「支援団体の意向を受けてから」と前置きしながらも、「私個人の考えとしては、引き続き市民の先頭に立たせていただき、この復興を最後までなしとげさせてもらいたい。市民の皆さんの審判を受けるべく、(市長選に)立候補したいと考えている」と語った。
現在の市民の状況や復興の課題をどうとらえているかという同議員の質問に対しては、「この4年、その前の4年と比べるとだいぶ落ち着き、全体的に明るい話題が増えてきたとは思う。一方、復興の〝その先〟に対する不安も新たに生じている」と述べ、復興需要の収束後も市が自立していけるよう、産業振興などにかかる手立てを講じているところだとした。
戸羽氏は初当選を果たした23年、前回選の27年とも、市民団体「あたらしい陸前高田をつくる市民の声」から出馬要請を受けたのち、正式な出馬要請を行ってきた経緯がある。答弁後、取材に応じた戸羽氏は「10月初旬『市民の声』の総会があると伺っているので、そこを受けて正式な決断をしたい。後援会の幹部には(意向は)伝えている」と述べた。
政党への支援要請に関しては「個人的には、その考えはない」とし、無所属で臨む考えを示した。
戸羽氏は7年から市議を3期務めた後、19年から副市長。2期8年で勇退した中里長門前市長=23年8月に死去=の後継として出馬し、無所属新人との一騎打ちを制して初当選。復興計画の半ばにあった27年には、「復興完遂が自身の責務」として再選出馬し、無所属新人を破って2度目の当選を果たした。
今市長選をめぐっては、同市横田町出身で、12日付で県庁を退職する紺野由夫氏(59)が出馬に意欲を見せており、13日に正式表明する予定。
今市長選は、昭和30年の市政施行から通算17回目、東日本大震災が発生してからは3回目となる。