サンマ13日ぶり水揚げ、大船渡市魚市場に52㌧

▲ 久々に姿をみせたサンマ=大船渡市魚市場

今季は不安定な漁模様に

 

 大船渡市大船渡町の市魚市場に14日、13日ぶりにサンマが水揚げされた。8月25日の初水揚げ以来、今月1日までは順調に水揚げが続いたものの、以降は水揚げがないままだった。14日は52㌧が水揚げされ、久々のサンマのお目見えに場内は活気づいたが、依然として漁況は不安定となっており、関係者にとっては気をもむ状況が続きそうだ。
 平成27〜29年まで不漁に見舞われたサンマ漁。水産関係者らも「今年こそは」と豊漁に期待を寄せていた。1日現在の同市場へのサンマ水揚げ量は562・76㌧で前年同期比133・4%と順調な出だしで、豊漁への期待が膨らんだが、直後から不安定な漁況・海況に見舞われて2日以降は水揚げが途絶えていた。
 この日は、13日ぶりにサンマ船が入港。福島県の第三十八廣運丸(178㌧)がロシア海域で12日に漁獲した52㌧を水揚げした。
 同船も水揚げするのはおよそ2週間ぶりだといい、及川博文船長(47)は「いくらかまとまって取れてよかった。皆さんにおいしいサンマを食べてもらえれば」と胸をなで下ろした。
 水揚げされたサンマは140㌘以上が半数以上を占めており、入札の結果、1㌔当たり価格は450〜370円の値が付いた。
 市魚市場を運営する大船渡魚市場㈱の佐藤光男専務は「自然のことなので、漁が今後どう推移するかは分からない」と語る。
 同市の及川冷蔵㈱の及川廣章社長は「加工原料がないので、これから水揚げがつながってくれれば。相場が落ち着いて、加工品にできるぐらいの値段になってほしい」と話していた。
 一般社団法人・漁業情報サービスセンターが10日に発表した「サンマ中短期漁況予報」によると、道東海域では9月中旬の来遊量は少なく断続的で、同月下旬から10月上旬にかけてはゆるやかに増加するものの低位水準であるとしている。三陸海域においては同中旬、下旬ともに来遊はあるが低水準との見通しを示している。
 大船渡市魚市場には、15日にも約240㌧のサンマが水揚げされる予定。