極上の船旅 心ゆくまで、にっぽん丸でのクルーズ/きょう釧路から帰港(動画、別写真あり)

▲ にっぽん丸が誇る美食を味わい、笑顔を見せる乗客

創立50周年の大船渡市農協が企画


 大船渡市農協(JAおおふなと、菊池司組合長)が創立50周年を記念し企画した「豪華客船にっぽん丸で航(い)く 錦秋の北海道・釧路クルーズ3日間の旅」は、16日に始まった。大船渡港発着のチャータークルーズで、17日には気仙内外の約320人を乗せた豪華客船「にっぽん丸」(久保滋弘船長)が、北海道の釧路港に入港。乗客は極上の船旅と釧路の魅力を存分に味わい、18日に大船渡港に戻る。

 

市民らに見送られながら北海道へと旅立つにっぽん丸=野々田ふ頭

320人が道東を周遊

 

 にっぽん丸は、商船三井客船㈱(東京都)が所有するクルーズ船。総トン数2万2472㌧、全長166・6㍍、船客定員524人。大船渡港を訪れるのは、昨年5月以来1年4カ月ぶり20回目となった。
 16日は、同港で乗客を見送るセレモニーが行われ、市民ら約500人が集まった。戸田公明市長は北海道胆振東部地震の被災地への見舞いの言葉も交え、「2泊3日の雄大な大地を楽しむ極上の船旅を、にっぽん丸ならではの美食ともてなしで楽しんでほしい」と述べ、充実した旅になるよう祈念。
 花束や記念品贈呈に続き、菊池組合長は北海道の被災地に心を寄せながら、「訪問先の釧路地方は、節電等の呼びかけはあるものの大きな被害はなく安どするとともに、今回の訪問が復興支援の一助になることと確信している。にっぽん丸クルーとともに何事もなく大船渡港に帰港することを約束する」とあいさつした。
 引き続き、大船渡商工会議所女性会による太鼓、綾里大権現の舞、地元のぷなと音楽団と大船渡東高校吹奏楽部の合同演奏が繰り広げられた。
 一方、乗客は船上からカラフルな紙テープを岸壁に向かって投げ、市民らの見送りを受けながらにぎやかに旅立った。
 「美食なる船」と呼ばれ、多彩で豪華な料理が魅力のにっぽん丸。初日は、気仙産の食材をふんだんに使った地産地消の品々が振る舞われた。
 船内でのエンターテインメントも充実しており、大船渡市出身の演歌歌手・大沢桃子さんと雫石町出身の同・中川愛子社中によるジョイントコンサートも大きな盛り上がりを見せた。
 一行は17日、釧路港に入港。釧路市のマスコットキャラクターや同市民らが大勢出迎え、菊池組合長はあいさつで北海道地震からの復興への願いを込めた。
 その後、乗客は釧路市などを観光。オプショナルツアーは、阿寒湖や摩周湖など道東の名所を巡る4コースが設けられ、参加者は雄大な自然を満喫した。夕方には市民らの見送りを受けながら同港をたった。
 18日は午後4時ごろ、大船渡港に到着する予定。
 にっぽん丸の乗船は初めてという陸前高田市米崎町の伊東達郎さん(75)は「大船渡港発着のクルーズ船はめったにない。妻との〝旧婚旅行〟として申し込んだ。ゆったりとした気持ちになれるし、デッキから眺める一面の海の景色も格別。この年まで生きて、このようなぜいたくな体験ができてよかった」としみじみと語っていた。