肉体美競うボディビル2大会でV、大船渡出身の26歳 中野雅貴さん(別写真あり)
平成30年9月21日付 6面

大船渡市大船渡町出身の中野雅貴さん(26)が、16日に宮城県で行われた第53回宮城男子ボディビル選手権大会で優勝した。8月に東京で開かれた第19回東日本男子ボディビル選手権大会(60㌔以下級)に続いての優勝。大学に通いながらトレーニングに励んでおり、今後のさらなる活躍に期待がかかる。
兄・博貴さんはフィジークで5位
中野さんは3歳で水泳を始め、大船渡中学校時代には全国大会に出場。高校、大学でも全国舞台を経験するほどの実力だった。
東海大学卒業とともに、水泳には区切りをつけた。中野さんの父・雅弘さん(62)は気仙両市に2店舗を展開する㈱コスモ薬局の代表を務めており、雅貴さんは家業である薬局で働くため奥羽大学薬学部(福島県)に入り直し、現在5年生。
ボディビルと出会ったのは3年前。福島県郡山市にあるトレーニングジムに通っていたところ、肉体的素質を見込まれてトレーナーに誘われたことがきっかけ。トレーニングを始めて1年目でいきなり、東日本男子ボディビル選手権大会(60㌔以下級)を制した。
ボディビルは、筋肉の大きさとバランス、体脂肪の少なさ、規定ポーズをいかに美しくとることができるかなどが採点の基準となっている。今回の宮城男子ボディビル選手権大会では、26人が出場した中で頂点に立った。
トレーニングは、大学の講義が終わってから夜に行う。1時間半から2時間ほどかけ、部位ごとに一日5〜6種目のトレーニングを行っているほか、日替わりでさまざまなメニューにも取り組む。
食事の管理も徹底しており、朝、昼、晩すべてオートミールと卵白を食べる。現在は実習中で自宅に滞在しており、食事面は母が支えている。
震災前、大船渡町内にあった中野さんの自宅は津波で流出。現在、自宅の土地の換地先では同社がトレーニングジムの整備を進めており、中野さんもそこで日々トレーニングに汗を流している。
同大会には、トレーニングを始めて1年目にも出場したが、惜しくも準優勝だった。今回の優勝は「家族のサポートがあったからこそ」と感謝を示す。
「ボディビルは、しっかりトレーニングして栄養を取って、しっかり休めば100%成果が出る。やればやるほど自分の理想の体に近づくことができる」と中野さん。ボディビルを始めた当初は12〜13%だったという体脂肪率は、今では家庭用測定器ではエラーが出るため「おそらく5%は切っている」という。
一方、雅貴さんの兄・博貴さん(27)は、同大会と同時開催の第2回東北・北海道メンズフィジーク大会172㌢以下級で5位入賞。
フィジークは、ヘアースタイルや顔立ち、表情なども審査対象となり、ボディビルとは違い、大きすぎる筋肉は減点の対象になる。
インターネットでフィジークの動画を見たことがきっかけで競技を始めたといい、「そんなに自信がなかったので、5位というのは驚いた。トップの人たちと比べると、まだ筋肉が足りないので、これから増やしていきたい」と力を込める。