里山の秋を華やかに、上有住で五葉山神社四年祭/住田
平成30年9月25日付 1面
住田町上有住に鎮座する五葉山神社(佐々木嘉子宮司)の四年祭は23日、里宮がある八日町地内で挙行された。神輿(みこし)渡御行列では、上有住の各地域住民らが練習を重ねた郷土芸能、道中踊りが次々と繰り広げられ、古き良き街並みが残る八日町通りを華やかに彩った。
五葉山神社の奥宮は霊峰・五葉山の山頂にあり、大同2年(807)に征夷大将軍・坂上田村麻呂が代々の国主と国家の安泰、武運長久の祈願所として建立したと伝えられている。明治5年(1872)に村社となった。
祭りは五穀豊穣に感謝し、家内安全などを祈願しようと4年に1度執り行われ、気仙に秋祭りシーズン到来を告げる。
この日は地域住民の願いが天に通じたかのように、さわやかな晴天に恵まれた。神輿渡御行列には、五葉山神社と八幡神社の各神輿のほか、五葉山神社大権現(五葉)、八幡神社大権現(八日町)、五葉山神社里宮大権現(天嶽)などが続き、蔵や木造のおもむきある建物が並ぶ八日町通りを練り歩いた。
さらに坂本太神楽、五葉念仏剣舞、両向通り踊、恵山花取り踊、八日町通り踊と、各地域ごとの芸能祭り組が随行。幅広い世代が列をつくり、華麗な舞や息のあった動き、威勢の良いかけ声で沿道に詰めかけた見物客を魅了した。
各祭り組には地域住民に加え、上有住出身者や世田米在住者、学生ボランティアも目立った。神輿渡御行列には総勢約700人が参加し、古里の秋に活気を呼び込んだ。
躍動感あふれる恵山花取り踊に参加した住田高校3年の水野莉緒さん(18)は「刀を回したりするのが難しいけど、これまでの練習では失敗しても周囲の人たちが温かく励ましてくれた。本番も楽しかった。4年後も参加したい」と話していた。
行列が終わり、神輿が里宮に戻ると、気仙川に架かる五葉橋で五葉山火縄銃鉄砲隊が演武を披露。上有住全域に響き渡るように銃声をとどろかせ、地域安泰への願いを込めた。