10月1日「夢横丁」オープン、市内の飲食店など入居/大船渡

▲ 10月1日にオープンする「おおふなと夢横丁」=大船渡町

 大船渡市大船渡町の大船渡駅周辺地区に10月1日(月)、「おおふなと夢横丁」がオープンする。「おおふなと夢商店街」の〝一員〟として、同商店街隣接地にテナント型の施設を整備。震災後に仮設店舗で営業していた市内の飲食店などが入居し、同月11日(木)までに計8店舗が開業する。最終的には10店舗が入居する予定。今後、店舗同士のつながりを生かし、商店街のさらなる盛り上げを図っていく。

 

夢商店街の隣接地に

11日までに8店舗開業へ


 東日本大震災で甚大な被害を受けた大船渡駅周辺では、市が土地区画整理事業によるまちづくりを推進。JR大船渡線から海側は、津波復興拠点整備事業区域(約10・4㌶)を中心として商業・業務機能の集積地に位置づけられている。
 おおふなと夢商店街は、JR大船渡駅周辺に店を構え、震災で被災した商店主らが協同組合(伊東修理事長)を結成し、中小企業基盤整備機構が整備した無償貸与施設で開業。市内最大の仮設商店街として、平成23年12月から昨年4月まで延べ35店舗が営業し、市民生活を支えながら多彩なイベントを通じて交流とにぎわいの場を創出してきた。
 仮設店舗での6年間の営業を経て、29年4月、同区域内の4街区で本設施設のおおふなと夢商店街がオープン。現在、テナント型の店舗には物販、飲食を中心として18店舗が入居している。
 本来、夢商店街とともに整備される予定だった夢横丁だが、入居店舗の調整に時間を要したため、整備が始まったのは今年3月末から。テナント型の施設は延べ床面積287平方㍍。建物の外観は茶色で統一されており、周辺には市の花であるツバキやハナミズキを植える。
 現在、オープンが決まっているのはスナックと居酒屋合わせて8店舗。昨春まで町内にあった仮設飲食店街「大船渡屋台村」で営業していた市内の店舗などが入る。
 このうち、10月1日には4店舗が同時オープン予定で、11日までに8店舗が開業を迎える見込み。
 各店が軒を連ねていることから、「はしご酒」を楽しみやすいのが魅力。現在は開店に向け、各店の店主らが慌ただしく準備を行っている。
 伊東理事長は「各店が連携することで、イベントの幅も広がる。個店個店では今後、生きていけないので、みんなで協力していくしかない。地元に密着し、地域とともに生きていきたい」と話している。
 大船渡町台町にあった店舗が津波で被災し、屋台村などの仮設店舗で営業してきたスナック・「あげは」は、1日のオープンを予定。店主の鈴木真弓さん(49)は「苦節7年半。ようやく本設で営業できる。多くの人が来るお店にしていきたい」と力を込める。
 今月30日(日)におおふなと夢商店街とキャッセン大船渡を会場に行われる「新生おおふなとさんま祭」では、夢横丁のオープニングセレモニーが予定されている。