タスキ胸に全力勝負、世田米小伝統の親子駅伝大会/住田(別写真あり)

▲ 児童、PTA合わせて13チームが力走を繰り広げた親子駅伝大会=世田米

 住田町立世田米小学校(佐々木英雄校長、児童119人)の第58回「親子駅伝大会」は29日、世田米商店街などで行われた。4年生以上の児童やPTA会員らがともに力走を繰り広げ、世田米の中心街に活気を呼び込んだ。
 大会はたくましく生きる児童の育成を願い、地域づくりや活性化に貢献しようと、同校と同校PTA(千葉孝文会長)が主催。昭和36年に児童の学級対抗として始まり、同49年以降は親子のふれあいを深めて大会を盛り上げようと保護者らも参加し、半世紀以上にわたる伝統行事となっている。
 4〜6年生は学年ごとに各2チーム出場。PTAでは愛宕、曙A、曙B、下在、中沢、東峰、川口・大股の計7チームを組んだ。
 コース全体にとどろく号砲とともに、第1走者の児童、大人たちが同校グラウンドから一斉にスタート。消防住田分署前や瀬音橋、商店街、清水橋などを経由する約3・5㌔を2周し、9〜14区間に分けてタスキをつないだ。
 今年も、区間ごとに順位が入れ替わる白熱のレース展開に。児童は大人の底力を、保護者は子どもの成長を間近で感じ取りながら、懸命にタスキをつないだ。
 直線が続く世田米商店街沿いなどには多くの保護者や祖父母が詰めかけ、盛んに声援を送った。「がんばってー」「抜かれるぞー」といった声が響き渡り、活気に包まれた。
 近年、児童チームの強さが目立っていたが、校庭に設けられた特製のゲートをくぐり抜けて最初にゴールを飾ったのは、PTAチームの曙A。アンカーの小野田利文さん(54)は「みんながひそかに練習を重ねた成果が出たのでは。子どもの成長を身近に感じられる良い機会。再来年は60回の節目になるので、盛大に開催してもらえれば」と話していた。
 一方、児童チームの中で1位となった5年Aのアンカー・佐々木一平君(11)は「最後に追い越して児童の中では勝ったけど、大人のチームに負けて少しくやしい。来年もチームのみんなで協力し、優勝したい」と語り、飛躍を誓っていた。
 これに先立ち、同校では1〜3年生の低学年マラソン大会も開催。元気な走りを見せた後は親子駅伝大会のゴール前で応援団となり、上級生や保護者らの力走を後押しした。