根元からヤナギ倒れる、台風24号の強風で/住田

▲ 強風の影響で根元から気仙川方向に倒れたヤナギ=世田米

 1日未明に気仙地方に最接近し、大雨や強風をもたらした台風24号。気仙では人的被害や農作物への目立った影響はみられなかったものの、住田町世田米の気仙川沿いに伸びるヤナギの大木が根元から倒れた。長年にわたり古里を見守ってきた名木が無残に横たわり、残念がる住民も。後を追うように北上する台風25号も、7日には東北への接近・上陸が予想され、警戒が必要だ。

 

気仙川沿いの名木無残に、25号の接近にも警戒を

 

 台風24号は、1日未明から朝にかけて気仙に接近。住田町では午前4時27分に、最大瞬間風速29・4㍍を観測した。
 この影響で、世田米の気仙川沿いでは、町営住宅大崎団地近くの公有地に伸びていた高さ10㍍超のヤナギが、根元から倒れた。町などによると、団地付近にはかつて県立住田病院があり、当時勤務していた看護師らが記念植樹したものという。
 世田米の平勝太郎さん(77)は、風雨が収まった同日午後に付近を散歩していたところ、惨状を目にした。「今まで気仙川や地域を見守ってくれた立派な木だった。今まで、どんな台風が来ても大丈夫だったのに」と残念がる。
 一方、別の地域住民は「近くの建物の屋根瓦に被害がないのを見ると、川を沿うように強い風が局所的に来たのかもしれない。確かに夜中の風は非常に強かったが、それにしてもこんなに大きな木が倒れるとは」と驚く。
 気仙川方向に倒れた幹は護岸沿いのフェンスをなぎ倒したが、近隣の住家や道路への影響はなかった。町などでは今後、撤去を進めることにしている。
 台風24号により、気仙川沿いでは下有住の松日橋近くのクルミの木も倒れた。
 町内ではこのほかにも、幹の内部が腐食し、強風で折れた大木が散見される。内部の腐食は外観では見極めにくく、台風25号襲来時には不要不急の外出は控えるなど、注意が必要だ。
 気象庁によると、台風25号は現在、宮古島の東の海上にあり、北北西に移動している。7日には、気仙を含む東北北部に接近・上陸するルートが予想され、進路によっては大荒れの天気となるおそれもあり、警戒を呼びかけている。