「地域に愛される鉄道に」新運転士が誕生、伊藤さん(大船渡出身)ら2人デビュー/三陸鉄道南リアス線

▲ 試験合格を経て運転士となった伊藤さん㊨と三浦さん=三陸鉄道南リアス線

 三陸鉄道㈱(中村一郎社長)は5日、宮古市の本社で新人運転士4人の辞令交付式とデビューセレモニーを催した。このうち、南リアス線(盛─釜石)に配属されたのは伊藤貴思さん(26)=大船渡市出身=と三浦豪さん(26)=宮古市出身。辞令交付を受けた2人は「地域に愛される鉄道に」と、意気込みを新たにしている。

 

 三陸鉄道は来年3月23日(土)、JR山田線(宮古─釜石)の経営移管を受け、盛駅から久慈駅までをつなぐ新路線「リアス線」(163㌔)の開通を迎える。これに伴い、社内では運転士の増員を進めており、南リアス線にも昨年春、三陸を故郷にする伊藤さんと三浦さんが運転士候補生として配属された。
 2人は約1年間、南リアス線での見習い業務の傍ら研修や試験勉強に励み、筆記と実技の国家試験を経て、6月に運転士の免許を取得。先月、社内試験に合格し、運転士デビューの夢をかなえた。
 この日の交付式には、北リアス線の2人の同期とともに臨み、中村社長から辞令書を受け取った。
 セレモニーでは決意表明も行われ、三鉄の未来を担う〝ルーキー〟らの言葉に、出席した社員らが祝福と期待を込めた。
 伊藤さんは「〝受からなければ〟というプレッシャーを感じていた中、試験に合格したときは本当にうれしかった。辞令交付を受け、今は身の引き締まる思い。〝候補生〟から独り立ちしたという緊張を感じている」と語る。
 三浦さんも「免許を取得できて、頑張ってきたことが実ったという思い。運転士になったこれからは、乗客の命を預かる身として、さらに技術を磨いていく」と力を込める。
 伊藤さんは、6日の午前5時48分盛発の始発便で、三浦さんは、同日午後9時盛発の最終便で、辞令後初の運転業務を迎える。
 伊藤さんは「運転技術の向上はもちろん、営業やほかの業務でも役に立ちたい。自分のもてる最大限の実力を発揮し、地域の信頼を築いていけるよう頑張る」と、三浦さんは「地域に身近な三鉄であり続けられるよう、親しみをもってもらえるような運転を心がけます」と話している。