「一日限定」で遊具遊び、市が整備中の大船渡公園/大船渡(動画、別写真あり)

▲ 整備中の(仮称)大船渡公園に設置された遊具で遊ぶ子どもたち=大船渡町

 大船渡市大船渡町の大船渡駅周辺地区に市が整備中の(仮称)大船渡公園で8日、「遊具1日限定プレオープニングイベント」が開かれた。東京都のNPO法人プレイグラウンド・オブ・ホープ(マイケル・アナップ代表理事、PoH)と、静岡県のジヤトコ㈱(中塚晃章代表取締役社長)が寄贈、設置した大型遊具で先行して遊んでもらおうとのイベントで、親子連れら約500人が参加。参加者らは真新しい遊具での遊びを楽しむとともに、主催者側が用意したハンバーガーなども味わい、公園の早期完成に期待を寄せた。

 

設置記念でプレオープン、多くの親子らが参加

 

 大船渡公園は、東日本大震災で被災した同駅周辺地区における土地区画整理事業により、須崎川河口付近の左岸側に新設。面積は約9700平方㍍で、勾配を付けた芝生広場をはじめ、園路、あずまや、トイレ、遊具、バーベキュー用の広場、ミストポール、駐車場などを配置する計画となっている。
 現在は全体の整地が進み、園路の姿が現れてきた。今後は、トイレなど各施設の整備を順次進めていくこととしており、本年度内の完成、平成31年度の供用開始を予定する。
 PoHは震災後、スポンサー企業や個人からの寄付をもとに、気仙両市などの被災地に遊具を贈る活動を展開。ジヤトコは自動車のオートマチックトランスミッション(自動変速機)を専門に製作し、国内外のメーカーへ供給している会社で、今回の遊具寄贈のスポンサーとなった。
 今回、PoHとジヤトコが同公園に寄贈したのは、木製の大型複合遊具「プレイヴィレッジ」(縦6・7㍍、横6・3㍍、高さ3・9㍍)。うんていやすべり台などの機能を備えている。PoHとジヤトコではスタッフやボランティアら約30人が大船渡を訪れ、7日から現地で遊具の設置作業やイベントの準備にあたった。
 イベント当日は秋晴れのさわやかな一日となり、会場には未就学児や小学生、その家族らが多数参加。はじめにセレモニーが開かれ、戸田公明市長が「公園が完成したら、多くのご家族に楽しんでいただきたい。公園を大いに活用し、楽しい思い出をつくってほしい」と述べ、遊具の寄贈と設置に改めて感謝した。
 アナップ代表理事(54)は「勉強もスポーツも大事だが、外で遊ぶことも大切。公園がオープンしたら、遊びに来てほしい」と、ジヤトコの平山智明常務執行役員(58)は「PoHとの活動でいつか東北に来たいとの思いがあり、やっと実現した。遊具での遊びを楽しんでもらえたらうれしい」とあいさつ。設置を記念し、子どもたちも参加して風船リリースも行われた。
 その後、子どもたちはさっそく遊具での遊びを満喫。歓声を上げながら、思い切り体を動かした。
 会場ではバーベキューパーティーも開かれ、主催者側が熱々のハンバーガーやホットドッグを振る舞った。参加者らは大きな口でほおばり、楽しい休日のひとときを送った。
 大船渡北小学校2年の高山苺依さん(7)は「すべり台で遊んだのが楽しかったし、ホットドッグもおいしかった。遊具ができてうれしい。新しい公園ができたら遊びに行きたい」と話していた。
 同公園は今後、供用開始までは建設地への立ち入りは不可。公園内には寄贈されたプレイヴィレッジのほか、ザイルクライミングや幼児用遊具の設置を予定している。