秋晴れの下 活気呈す、広田の鶴樹神社例大祭/陸前高田(別写真あり)

▲ 大きな盛り上がりを見せた根岬梯子虎舞の奉納=広田町

梯子虎舞の妙技に歓声

 

 陸前高田市広田町根岬に鎮座する鶴樹神社の例大祭は8日、根岬漁港で挙行された。4年に1度の祭事で、震災後としては平成26年に続いて2回目。快晴の下、市指定無形民俗文化財の根岬梯子(はしご)虎舞や七福神が奉納され、地元内外からの大勢の人で活気にあふれた。
 例大祭は、海上安全、家内安全、無病息災、大漁万作などを祈願して執り行われるもの。今年も祭典実行委員会(村上一郎委員長)が主催し、準備を進めてきた。
 台風の影響で開催日が1日延びたが、漁港には多くの住民が訪れた。色鮮やかな大漁旗がいくつも掲げられ、浜の集落ならではの光景が広がった。
 鶴樹神社から漁港を目指す神輿渡御の前後には、一番の呼び物となる梯子虎舞が繰り広げられた。虎舞を継承する根岬虎舞組(組頭・菅野修一さん)の舞い手は10人ほど。高齢化、人手不足に悩まされるが、今年は新たに若手2人が仲間入りし、9月から練習を重ねてきた。
 唐獅子の衣装に身を包んだ舞い手や才坊が、命綱なしで高さ20㍍の梯子に上がり、太鼓や笛のおはやしに合わせて躍動感ある舞を披露。来場者らはじっと見つめ、大きな拍手と歓声を響かせた。
 梯子虎舞の合間には、根岬地域の女性会による手踊り、子どもたちによる七福神も奉納され、幅広い年代が秋のお祭りを楽しんだ。
 菅野さん(65)は「若い人材も加わり、素直にうれしかった。よく頑張ってくれた」と舞い手らをたたえ、「子どもからお年寄りまで地域が一体となるのが、このお祭り。震災に負けずに頑張っているという思いも発信できれば」と話していた。