空き時間の有効活用へ、町教委開設 の「放課後の学び場」スタート/住田高校(別写真あり)

▲ 自学自習に励む生徒たち=住田高校

 住田町教育委員会は15日、県立住田高校(鈴木広樹校長、生徒87人)の研修会館内で、生徒たちの自学自習を支える「放課後の学び場」をスタートさせた。早速生徒たちが続々と訪れ、タブレットを使った自習を行ったほか、町教委職員らと懇談。帰宅までの空き時間を有効に使えると、好評の声が寄せられた。今後は毎週月〜木曜日の午後4時〜同7時30分に開設する。

 

町ぐるみで成長後押し

 

ソファなどを置き、くつろぎやすい空間も確保=同

 町教委は本年度、教育コーディネーターを採用。住田高校の生徒確保につながる魅力づくりを支援しようと、在校生らに聞き取り調査を実施してきた。
 その中で寄せられたのが「バスの待ち時間を過ごせる場所がない」「家以外で勉強できる場所がない」といった声。気仙両市から通う生徒も多く、そのほとんどが公共バスを利用しているが、運行本数が限られている。こうした中、町教委では帰宅までの時間を有効に過ごせる〝居場所〟づくりに乗り出した。
 9月補正予算で財源を確保し、同校敷地内にある研修会館2階を過ごしやすいように整備。一室は机とホワイトボードを置いて、自学自習の場を確保した。もう一室にはソファなどを設け、くつろぎながら懇談などをしやすい雰囲気を整えた。
 初日は教育コーディネーターの小宅優美さん(26)らが出迎える中、午後4時過ぎから生徒たちが続々と来訪。ノートやプリントを広げ、数学の復習などに励んだ。
 3年生の菅野亮君(18)=世田米中出身=は「親が迎えに来るまでを待つ時間にも気軽に利用できそう。テスト期間中は、分からないところを聞きながら勉強ができると思う」と話していた。
 会館内は、インターネットに接続できる「Wi―Fi(ワイファイ)」を完備。同校が活用しているオンライン学習サービス「スタディサプリ」をタブレットで立ち上げて勉強する姿も見られた。
 また、一部の生徒は、会館内の装飾に使う毛糸をほぐす作業に集中。教育委員会では、生徒のアイデアや自発的な活動を取り入れながら、よりよい環境づくりを進めることにしている。
 学び場は、利用登録を済ませた住高生が対象で、利用料は無料。開設時間内であれば、好きな時間に利用できる。
 利用時間内は町が採用した教育コーディネーターのほか、世田米商店街で「寺子屋」として学習支援を行っているスタッフ、専門学校での就職支援経験がある町在住者らが手分けをして常駐。町職員有志も支援にあたり、町ぐるみで〝顔の見える支援〟を行い、交流を深めながら希望進路や目標達成を後押ししていく。