大船渡保育園でサクラ咲く
平成30年10月19日付 7面

季節外れのサクラが開花──という知らせが全国から届いているが、大船渡市大船渡町の大船渡保育園(富澤康磨園長、園児171人)でも、園舎裏にあるサクラの木に数輪の花が咲き、職員や園児たちを驚かせている。「狂い咲き」「返り咲き」と呼ばれる現象で、夏から秋にかけての台風の影響とみられている。
台風の影響か
同園によると、今月10日ごろ、園舎裏に立つサクラの枝に1輪の花がついているのを職員が発見したという。18日には、濃いピンク色の花弁が開いている3輪の花が確認された。
市内でも早咲きで知られる同園のサクラ。子どもたちも興味津々に見つめているが、職員らは「1月に咲いたことはあったけど、この時期に咲くのは初めて」と目を丸くする。
県立博物館によると、サクラの花芽は秋までに形成されるが、葉が開花を抑制する物質を花芽に送り、開花を抑えているという。
そのため、強風などによって葉が落ちると、この抑制物質が花芽に送り込まれなくなり、春先よりも暖かいこの時期に咲くことがあるといわれている。
今年は、本県を通過した台風24号をはじめ、7〜9月に5個の台風が上陸。気仙では大きな被害は発生しなかったが、強風による倒木などが各地で相次いだ。これらの台風がもたらした強風によってサクラの葉が落とされたことが、今回の「狂い咲き」につながったとみられる。
来年の開花について、同博物館では「一度開いてしまうと春に咲くことはないが、冬を越すことができる花芽がたくさんあれば、大きな影響はないのでは」と話している。