「復興貢献」の決意力強く、住田高校で創立70周年記念式典・フォーラム(動画、別写真あり)

▲ 勇壮な音色を響かせた気仙町けんか七夕太鼓演奏=住田高校

校歌にさらなる成長への決意を込めた生徒たち=同

 県立住田高校(鈴木広樹校長、生徒87人)の創立70周年記念式典と「住高フォーラム」は19日、住田町の同校で開かれた。在校生たちは開校時からの歴史と誇りを再確認し、復興に貢献する人材となるべく一層の成長を決意。フォーラムでは太鼓演奏や基調講演などが行われ、地域に根ざした学校としての歩み継続を誓った。
 式典には、全校生徒と教職員、来賓ら合わせて約180人が出席。鈴木校長は開校した昭和23年からの歴史を振り返り「在校生は今、開校当時の理想と希望を体現している」と式辞を述べた。
 記念事業実行委員会の横澤一郎会長は、校風である▽さわやかなあいさつ▽きちんとした服装、態度▽まじめな仕事ぶり──が継承されていると強調。「代々受け継いできた宝物であり、社会の一員として活躍を」と在校生に期待を込めた。
 引き続き、昭和51年度卒業生である神田謙一町長が祝辞。60周年以降の歴代校長、PTA会長、同窓会長には感謝状が贈られた。
 生徒代表謝辞に立った菅野夢貴生徒会長(2年)=高田東中出身=は「東日本大震災の教訓を後世に伝えることも、私たちの使命。復興への貢献に向け、自分の道を歩んでいく」と力強く誓った。校歌斉唱では、在校生たちが清らかな演奏や歌声を響かせ、地域への感謝を込めた。
 終了後のフォーラムは、陸前高田市立気仙中学校出身の生徒が中心となって取り組んでいる「気仙町けんか七夕太鼓」の演奏で開幕。発災当時、小学生だった生徒たちは、勇壮な音色に成長と復興への決意を込め、感動を呼び込んだ。
 基調発表では、元PTA会長の及川裕敏さんと、昨年度卒業生の中野和也さんが登壇。さらに、池上惇京都大学名誉教授が論評を寄せ、地域に根ざした住田高校の価値を再確認し合った。
 同校は昭和23年に開校した県立盛農業高等学校定時制の世田米、上有住両分校を前身とし、同45年に住田高校として独立。5700人余りの卒業生を世に送り出した。
 70周年記念事業では、記念誌発刊なども計画している。
 感謝状贈呈者次の通り。
 ▽歴代校長=佐藤猛夫、佐藤信幸、佐藤政則、遠藤可奈子、楳原健
 ▽歴代PTA会長=水野英哉、千葉周一、皆川繁雄、水野司
 ▽歴代同窓会長=多田和雄