被災者以外も入居可に、市営の災害公営住宅10団地/11月12日から募集開始
平成30年10月26日付 7面

陸前高田市は、市が管理する災害公営住宅10団地の空き住戸について、被災者以外の一般による入居も可能とすることとし、11月12日(月)から入居者の募集を開始する。市は、被災者以外の住宅困窮者に対する住宅供給を図るとともに、耐用年数を超過している既存の市営住宅の入居者に対する住み替えにも対応していく。
陸前高田でも「一般化」
老朽化団地から住み替えも
市営災害公営住宅の一般化は、今年4月に応急仮設住宅の供与期間が特定延長制度に移行し、仮設住宅などに住む被災者がこれから災害公営住宅への入居を希望する可能性が低くなったことを受けての措置。同様の背景から、大船渡市ではすでに市営の14団地41戸を対象とし、9〜10月に一般入居の募集を行った。
陸前高田市は、23日に行われた市議会全員協議会で災害公営住宅の一般化について説明。「被災者以外の方から市営住宅への入居の問い合わせが多数寄せられているが、現在の市営住宅はほとんど空き室がない状況」とし、県営の災害公営住宅・栃ヶ沢アパート(301中242戸入居)を除く市営10団地で、12月上旬から被災者以外の入居を開始するとした。
同市では、昨年度までに市営の災害公営住宅10団地594戸を整備。これまで、東日本大震災で被災した住宅困窮世帯のみを対象として募集を行い、現在は459戸840人が入居中という。
空き室状況は、水上16、今泉6、長部4、下和野8、中田38、西下5、柳沢前13、脇の沢18、大野19、田端8──の計135戸。広報りくぜんたかた11月本号(11月7日発行)や新聞等で周知を図り、11月12日(月)〜22日(木)に入居募集を行う。なお、一般化後においても、被災者が優先的に入居できるものとする。
入居資格は既存の市営住宅と同様、政令月収額15万8000円以下(高齢者や障害者などが同居する裁量階層世帯は21万4000円以下)で、住宅に困窮する世帯。一般入居の場合は、被災者が受けられる減免措置の対象外となる。
また、同市には災害公営住宅以外の市営住宅が集合住宅・戸建て合わせて254戸あるが、このうち高田町の和野(66戸)、栃ヶ沢(26戸)、やまぶき(39戸)が耐用年数を超過。米崎町の松峰(55戸)についても、すでに耐用年数を過ぎているか、この2〜3年で耐用年数に達するといい、来月上旬にこれら4住宅の入居者を対象とした住み替えの説明会を開く。
議会全員協議会では、議員が「老朽化した住宅から新しい団地へ住み替えをした場合、家賃が上がるのでは」と質問。市は「いきなり家賃が跳ね上がるというわけではなく、激変緩和措置として5年の段階期間がある。収入によっては家賃の減免措置もある。入居者の皆さんにはそのあたりもしっかり説明していく」とした。