陸前高田勢が2種目制覇、福井国体の陸上成年男子
平成30年10月26日付 6面
福井県でこのほど開かれた第73回国民体育大会「福井しあわせ元気国体2018」の陸上競技成年男子の投てき競技で、陸前高田市出身の2選手が優勝を飾った。砲丸投げの佐藤征平選手(26)=国士舘クラブ=とやり投げの長沼元選手(20)=国士舘大3年。国内最大の国民スポーツの祭典で、気仙のスポーツ界が誇る若者2人が、大きな結果を残した。
佐藤選手・砲丸投げ
長沼選手・やり投げ
横田町出身の佐藤選手は、9月に行われた第66回全日本実業団対抗陸上競技選手権大会でも優勝し、自身初となる〝日本一〟を手にしたばかり。今国体では、実業団大会と同じ17㍍70の記録で初優勝を飾った。自己ベストの18㍍06にはおよばなかったものの、計6回の投てきですべて17㍍台をたたき出すという抜群の安定感を見せ、最後までトップを譲らなかった。
本人は「今シーズンの後半は安定して投げられた感じはある。でも、もっと調子を上げていきたかった」と喜びは控えめ。記録には「半分も満足できていない」といい、「常に18㍍を超えていくようでないと、これから先は戦えない」とさらなる高みを見つめる。
大学卒業後、東京都多摩市の中学校で教員補助の仕事に従事しながら、夜遅くまで母校・国士舘大で練習に励む。食事内容や睡眠、ストレス発散、歩き方一つとっても、すべて「記録のためになることを」と研究に余念がない。「1㍉でも2㍉でも遠くに投げたい。そのためならなんでもする」とどこまでもストイックだ。
「自分にとって国体はあくまでも数ある大会の一つであり、いつも通りベストを尽くすという気持ちで臨んだが、陸前高田では今回の知らせを喜んでくださる方が多いと聞き、本当にありがたい。岩手の代表として優勝したという点を喜んでいただけたのかなと思う」と語る佐藤選手。
「遠く離れていても陸前高田が古里であることに変わりはない。自分も大きな夢を抱いて日々練習していく。復興を目指す地元の皆さんの励みとなれるよう頑張りたい」とし、今後はさらなる技術改善はもちろん、ウエイトトレーニングや練習計画、私生活の見直しを図りたいといい、「まだまだ上に行けると思っている」と力を込める。

成年男子やり投げで初優勝した長沼選手
一方、気仙町出身の長沼選手は、自身の持つ県記録(74㍍01)を大きく上回る77㍍67をマークし、2位に3㍍以上の差をつけ頂点に立った。高田高3年時に制した「紀の国わかやま国体」少年男子Aやり投げに続く国体優勝の快挙を果たした。
目標は、来年の日本選手権大会とユニバーシアードの標準記録を上回る75㍍台だった。2投目を投げ終えた時に、国士舘大の監督から「助走スピードを上げていいぞ」と指示され、力が湧いた。
直後の3投目、助走でためたすべての力をやりに伝えるイメージ通りのフォームから会心の一投が出た。手から離れたあとの初速も十分で、「うまくいった」と手応えはあったが、77㍍67と予想をはるかに上回る記録が出て驚いた。
高田高時代、全国高総体(インターハイ)、国体で優勝し、父の高校教諭・晃一さん(54)が保持していたやり投げ高校男子の県記録も塗り替えるなど、輝かしい成績を残した。
陸上の名門・国士舘大に入学後、痛めていた肩への負担を減らすためフォームを一から見直し、速い助走に耐えうる足腰を鍛えるなど基礎トレーニングを徹底してきた。
思うような結果を残せないつらい時期を乗り越え、地道な練習が実を結び「やはりうれしい」と喜ぶ。「国士舘大の先輩が残した記録を超える80㍍台を学生のうちに出せるようまた頑張っていく」と誓う。






