丸太が芸術品に〝変身〟、きょうまでチェーンソーアート大会/住田(別写真あり)

▲ 降雨の中で制作が行われた初日の競技大会=世田米

 SUMITAチェーンソーアート杣遊会(泉田晴夫会長)主催のチェーンソーアート競技大会は27日、住田町世田米の運動公園駐車場(消防住田分署隣)で始まった。全国的に広く知られるチェーンソーカーバー6人が集結し、エンジン音を響かせながら動物をテーマとした制作に取り組んだ。大会は28日まで。審査は来場者による投票を予定しており、多くの来場を呼びかけている。

 

豪快かつ繊細に制作

 

 同会は「森林・林業日本一の町」を目指す住田を拠点に、チェーンソー彫刻を通じて、町並み整備や作品の特産品化といった取り組みに参画。競技大会は愛好者の交流や、町の魅力発信などにつなげようと企画した。
 テレビ番組などでも活躍する県内外のチェーンソーカーバー6人が集結。27日は高さ2㍍ほどのスギの丸太が用意され、午前から降雨の中で「Animal Story」をテーマとしたメーンカービングの制作が一斉に始まった。
 選手たちは「仲良し」「バトル」「LOVE」といった思いを込め、動物2体以上を制作。雨雲を吹き飛ばすような豪快なエンジン音を響かせながら、丸太を芸術品に生まれ変わらせていった。
 岩泉町在住の西間健さん(59)は「住田での制作は(杣遊会が主催した)モンスターカップ以来6年ぶりだが、ここでは良い丸太が用意されるので楽しみにしていた。雨での作業は効率が悪いが、杣遊会メンバーとの再会だけでなく、初めて会うカーバーたちと交流ができるのもうれしい」と話し、制作の合間にも笑顔を見せていた。
 28日は午前8時~9時30分にメーンカービングの続きを、同10~11時には「2019干支」をテーマしたクイックカービングの制作を予定。いずれもダイナミックな制作風景が公開される。
 作品審査は、午前11時30分まで受け付ける来場者の投票によって決定。さらに完成作品は、町役場で同日行われる町文化産業まつりの中でオークション販売を行う。
 泉田会長(66)は「周囲から『大会をやらないのか』とせっつかれ、平成最後の秋でもあるので久々に開催した。細かい作業もチェーンソーでやってのける技術を、ぜひ間近で見てほしい。チェーンソーアートをやってみたいと思う人が増えてくれれば」と語り、多くの来場に期待を込める。