内定率61・2%で発進、9月末現在の来春高卒者就職/気仙

 大船渡公共職業安定所(三上元詔所長)は、管内(気仙2市1町)の平成31年3月新規高校卒業予定者に対する9月末現在の職業紹介状況をまとめた。同月から就職選考が開始され、内定率は61・2%。直近10年で最高値を記録した前年同月の73・4%は下回ったものの、好調なスタートとなった。

 

前年下回るも高水準

 

 同職安によると、気仙光陵支援学校高等部を含む5校を合わせた気仙地区内の来春高校卒業予定者517人のうち、学校や職安の紹介による就職希望者は121人(男子77人、女子44人)。就業希望地は、気仙地区内が72人、気仙以外の県内が19人、県外が30人となっている。
 新規高卒予定者を対象とした職安の求人受け付け開始日は例年6月20日だったが、昨年から同1日に前倒しされた。同職安には9月末までに、115件342人の求人が寄せられている。前年同月と比べると5件67人の増で、震災以降顕著な若い働き手確保への動きは依然として活発さを見せる。
 就職試験は9月16日から解禁され、各事業所が選考を開始。同月末時点で就職先が内定したのは、前年同月比で20人少ない74人(男子48人、女子26人)。
 内定率は61・2%。同月末時点での内定率は、震災前はおおむね40%台だったが、25年からは50~60%台で推移しており、今シーズンも堅調を維持。直近10年では3番目の高さ。
 もっとも高かった前年同月を12・2ポイント下回ったものの、職安では採否通知時期が9月末以降となる企業もあることが主な要因とし、企業の採用意欲は高さを保ったままとみている。
 内定先の内訳は、気仙地区内が43人(男子29人、女子14人)、県内が12人(男子8人、女子4人)、県外が19人(男子11人、女子8人)。
 職業別にみると、製造業がもっとも多い33人(男子24人、女子9人)で、卸売・小売業12人(男女各6人)、医療・福祉8人(男子2人、女子6人)、建設業7人(いずれも男子)などと続く。
 震災後は、各業界で高まった復興需要のもとで新規高卒者確保に向けた動きが盛んで、全国的に「売り手市場」傾向が続く。
 気仙地区内でも求人倍率が2倍を超える状況が続いており、9月末時点では4・75倍を記録。高い数字の背景には生徒数の減少もあり、新戦力確保は事業所側にとって課題ともなっている。
 21年度以降の9月末現在の内定状況は別表。