「なつかしの学び舎」彩る、あすまで民俗資料館特別展/住田(別写真あり)

▲ 地域住民らの力作を展示している特別展=上有住

住民の技と工夫ズラリ

 

 住田町上有住の民俗資料館で1日、特別展「なつかしの学び舎〜ここで、こうやって、生きてきた〜」が開幕した。旧上有住小学校校舎だった同館は築90年を迎えた今年、国の登録有形文化財(建造物)に登録された。明治末期の建築様式が取り入れられた建物内は、節目を祝うように地域住民らの技と工夫が伝わる作品が並び、彩りにあふれる。特別展は3日(土)まで開かれる。

 特別展は、館内で地区民相互の対話と交流を深める機会をつくろうと、毎年この時期に開催。上有住地区サン・ヨブ・トークの会(佐熊位会長)が主催、同地区計画推進協議会と五葉山自然倶楽部が共催し、町教育委員会が後援する。
 有住小や上有住地区公民館に隣接する旧上有住小校舎は昭和3年に建設され、築90年を迎えた。明治時代の建築技術を受け継ぎ、木造階段の手すり部分などに施されたモダンなデザインの美しさに引かれる。今年、国の登録有形文化財(建造物)に登録された。
 古き良きたたずまいがある館内では普段、産金関連の資料や生活文化の歴史を伝える文化財などを展示。1日からは住民手づくりの作品が加わり、彩りが増した。
 地域住民や福祉施設利用者による手作業の成果が光る手芸、木工品、手づくり品のほか、町内の名所を描いた絵画などがズラリ。さらに、文化産業まつりに続いて写真展「けせんの詩・住田町編」も開催。昨年10月〜今年9月に東海新報に掲載された中から、住田町内が題材となっている42点を展示している。
 9月に上有住で開催された、五葉山神社四年祭の様子をまとめた映像も公開。五葉山にちなんだ絵画、写真も充実している。
 訪れた人々は作品をじっくり楽しむだけでなく、地域住民らが持ち寄ったがんづきや漬物を囲みながら談笑。初日からなごやかな雰囲気が広がった。
 パッチワーク作品などを出品した上有住の坂井ヨシ子さん(88)は、「孫が送ってくれた古い布を使い、冬場に2カ月ぐらいかけて作った。手仕事は楽しい」と話していた。
 開催時間は午前10時〜午後3時。入場は無料。問い合わせは同地区公民館(℡48・2013)へ。